クリスマスの夜は、慶應・藤原ホールで“日吉の丘フィル”を――いよいよ今年(2018年)も、恒例となった年末公演が迫ってきました。今年はまさに“クリスマスの夜”を彩る、第7回「日吉の丘フィルハーモニー年末コンサート」が、来週(12月)25日(火)18時30分(開場18時)より、日吉駅前・藤原洋記念ホール(日吉4、慶應義塾日吉キャンパス・協生館内)で行われます。
例年、注目の若手指揮者やソロ演奏家が「日吉らしい」音色を奏でることで、日吉周辺地区にもすっかり親しまれた同フィル。今回は、ヴェルディの「“シチリア島の夕べの祈り”より序曲」、ガーシュインの「ラプソティー・イン・ブルー」、ブラームスの「交響曲第1番」の3曲を、総勢90名超の団員が奏でる予定です。
今回の指揮者は、千葉県白井市出身の泉翔士(しょうし)さん。同フィルの初代主宰者・インスペクター(進行マネージャー)を務める村松琢麻さん(慶應義塾大学)と学生オーケストラを通じ知り合った泉さんは、「日吉の丘フィルメンバーの若さ、そしてエネルギーがとにかく“すごい”と感じています」と、慶應義塾大学や附属の高校のみならず、東京大学、早稲田大学ほか12大学・大学院から16名のメンバーも加わる団員の“主張の激しさ”に、大変驚いたといいます。
「皆、日吉の丘フィルで“演奏したくて”集まっているので、とにかく“前傾姿勢”、まさに“エネルギーの塊(かたまり)”で、本気でぶつかっているんです」と、本番当日まで、指揮者としての手腕がより問われることについても、泉さん自身の“挑戦”が込められるステージになる予感を漂わせます。
5歳からピアノ、12歳からチューバを始めた泉さんは、佐渡裕(ゆたか)さん指揮の「幻想交響曲」(ベルリオーズ作曲)のライブ映像を観たことから、中学校3年生の頃に「指揮者になろう」と決意。
東京音楽大学指揮科(東京都豊島区)時代、20歳の時に、ブラームスの「交響曲第1番」を指揮し、第4回井上道義による指揮者講習会で優秀賞を受賞したこともあり、「今回、ブラームスの1番を指揮できるのは、本当に“縁”があると感じています」と、今回の日吉の丘フィルでの演奏会で、21年もの歳月をかけてブラームスが作曲したこの作品を披露できることについての“熱き想い”についても言及します。
まさに日吉の丘フィルの構成メンバーの平均年齢も「20歳から21歳なんです」と村松さん。泉さんがピアノ独奏で「弾き振り」を行う「ラプソティー・イン・ブルー」についても、泉さんは、「皆が、ピアノを弾きながらの指揮と“合わせる”ことができるのか、各団員との“コラボレーション”にご注目ください」と、その苦労を乗り越えての、当日の演奏への“決意”を語ります。
また、村松さんも、「まずは泉さんのピアノにご注目ください。また、とにかく熱量がこもり、とにかく燃えている、クラリネット、トランペットやトロンボーン、サックス、オーボエなど管楽器とのハーモニーも必聴です」と、学生主体のパワフルな演奏に、泉さんの“冴えわたる”ピアノの音色を重ね、楽しんでもらいたいと、当日の演奏会の魅力についても力説します。
同曲でのコンサートマスターを務める池崎功汰さん(慶應義塾大学)や、ブラームス1番でゲスト・コンサートマスターとして招かれた土井卓人さん(同)の演奏、メンバーとのコンタクトにも注目してもらいたいと村松さん。
特に、土井さんについては、「第69回全日本学生音楽コンクール高校の部東京大会入選、第10回横浜国際コンクール第1位ほか、数々の入賞歴もあるという実力派」(村松さん)とのことで、「ぜひ、“日吉の丘”にふさわしい、ハイクオリティ、そしてそれぞれが想いを込めたハーモニーをお楽しみください」(同)と、演奏会当日の多くの来場を呼び掛けています。
なお、当日のチケットはS席1500円、A席1000円(全席指定)。公式ホームページなどからの事前予約が必要です。
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【参考リンク】
・日吉の丘フィルハーモニーの公式サイト ※チケット購入フォームへのリンクあり
・日吉の丘フィルハーモニー第7回演奏会案内(同フィルのサイト)
・人生棒振り日記~三度の飯より飯が好きな指揮者のブログ(泉翔士さん)