<東横線と近接>激変する「横浜駅西口」、26階建ての駅ビルや超高層タワーも誕生へ | 横浜日吉新聞

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東急東横線の地下駅に近い「横浜駅西口」が大きく変わろうとしています。26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」など2棟の複合ビルが2020年春ごろにオープンするほか、周辺では再開発による44階建ての「超高層タワーマンション」の建設計画も進行しています。

東急東横線・みなとみらい線の横浜駅は「西口」や「きた西口」寄りにあるため、駅ビルなど今回の再開発エリアから近い(横浜駅構内の案内地図を赤色線など加工して使用)

横浜駅は、日吉から東横線の急行で12分綱島からならわずか9分で往来できる“もっとも近い都心”。地下5階にある東横線ホームからの上下移動は大変ですが、東横線の地下駅は駅西口からもっとも近い位置に置かれているだけに、周辺の変化は東横線利用者にとって気になるところです。

西口再開発の目玉となるのが、26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」で、かつてJR系商業施設横浜シァルと東急電鉄系の横浜エクセルホテル東急が建っていた約8700平方メートルの跡地を使って、2020年春ごろの完成を目指して建設されています。

横浜駅西口では26階建ての駅ビル「JR横浜タワー」が2020年春ごろの完成へ向け工事が進む、左手は横浜モアーズ

新たな駅ビルでは、地下1階から地下3階に「CIAL(シァル)横浜」が“復活”。地上部はJR系のルミネが新宿駅南口側でも展開する複合商業施設「NEWoMan(ニュウマン)」が1階から10階に出店し、8階から10階フロアの半分は全9ホール・約1300席のシネマコンプレックス「T・ジョイ横浜」として使われます。

高層階の12階から26階はオフィスフロアとする計画で、駅直結の買物・レジャースポットとビジネス空間が新たに生まれることになります。

横浜駅の東京寄りにある「きた西口」の周辺は大きく変わる

この西口駅ビルの建設に加え、駅前のショッピングビル「横浜モアーズ」などが位置する東京寄りの「きた西口」に近い鶴屋町の一帯が、これから大きく変わります。

ビジネスホテルや雑居ビルなどの建物を取り壊し、約6700メートルの敷地を創出。ここに高さ約180メートルと横浜駅周辺では最大級の高さになるという“タワーマンション”が2022年3月までに地権者らによる再開発組合によって建てられます。

「きた西口」に近い鶴屋町に地上43階・地下2階建てのタワーマンションが2022年3月までに建てられ、真ん中に写る西口の駅ビルから歩行者デッキで直結する

このタワーマンションは、海外からの居住者に向けた180メートルの眺望を活かしたラウンジ「グローバルスカイコモンズ」を設置したり、多言語で対応できる生活環境を整備したりするなど、グローバル企業の誘致に貢献するためという国家戦略特区の“特例”も活用することで、周辺ではもっとも高い地上43階・地下2階建ての建物とする計画。

住居459戸のほか、ホテルや店舗なども設けられる計画で、横浜市が開発を後押ししています。

さらにその“奥”となる東京寄りでは、JR東日本が変電所などとして使っていた5000平方メートルの敷地を使い、ホテルメッツや「CIAL(シァル)横浜アネックス」、フィットネスなどが入居し、駐車場も設ける9階建ての「JR横浜鶴屋町ビル」も2020年春ごろまでに建てられます。

横浜駅西口のJR東日本による駅ビルをはじめ、地上43階・地下2階建てのタワーマンション(横浜駅きた西口鶴屋地区)やJR横浜鶴屋町ビル(横浜駅西口開発ビル)の3棟が歩行者デッキで結ばれる(2017年6月19日に横浜市都市整備局が西区区連会6月定例会で公表した資料より)

駅西口や「きた西口」と鶴屋町エリアの間は、帷子川(かたびらがわ)分水路で“分断”される形となっていますが、これを西口駅ビルから歩行者デッキで直結させることで、駅西口から容易にアクセスできるようにする計画で、鶴屋町エリアは今より駅から近く感じることになりそうです。

JR東日本と横浜市が後押しする再開発組合が主導するこれら3棟のビル計画に加え、周辺では民間による再開発もすでに行われており、今年(2018年)2月には、古いビル2棟が取り壊され、13階建ての「リッチモンドホテル横浜駅前」と飲食店の複合ビルが新たに誕生しています。

横浜駅の「きた西口」に近い鶴屋町エリアは、今も低層の雑居ビルや駐車場が目立つだけに、今後も再開発が誘発される可能性があります。

東急電鉄が主導する渋谷駅周辺の再開発と比べ、こちらはJR東日本と横浜市が主導しているためか、東横線の沿線では影が薄い存在ですが、横浜駅西口は東横線の駅と近接。さらに、東急線と比べて割高な追加運賃が加算される「みなとみらい線」の沿線へ行くよりも、気軽に往来できるだけに、日吉や綱島からの買物やレジャースポットとして、今後楽しみな存在といえそうです。

【参考リンク】

(仮称)横浜駅西口開発ビルの名称が「JR横浜タワー」等に決定PDF、2018年11月22日、JR東日本横浜支社)

横浜駅周辺施設・整備事業(横浜市、エキサイトよこはま22)


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