5年間にわたって親しまれた“地域の居場所”がその役割を終えます。下田町6丁目の一軒家を活用した異世代交流スペース「えんがわの家よってこしもだ」が来月(2018年11月)3日(土)に閉館となることが決まりました。
よってこしもだは、2013年9月に「新田坂下(しんでんさかした)」バス停に近い住宅街で、一軒家の空き家を活用し、地域の有志がボランティアで開設したもの。古民家の畳部屋という雰囲気にひかれ、気軽に立ち寄る人も多く、利用者は年間1000人を超え、多い年には2000人を超えたこともあったといいます。
これまでに子ども向けには、楽しみながら地域を知る「町探検ウォークラリー」や、夏休みの宿題を慶應義塾大学の大学生らがサポートする「夏休み宿題お助け隊」、大人も子どもも楽しめる企画として「ジャズライブ」や「アフタヌーン・ティー」、「親子英会話教室」、また地域の大人に向けた「朝採野菜販売」や「パソコン・スマホお助け隊」など、子どもから大人まで異世代交流を促す多彩なイベントが行われてきました。
よってこしもだで代表をつとめる増井佐緒里さんは、「家主さんのご厚意によって、これまで家をお借り出来ていたのですが、この度、お返しする日が来た」といい、「今はまだ心の整理はついていませんが、多くの人に支えられ、5年間にわたって続けられたことに感謝の気持ちでいっぱい」との思いを口にします。
唯一の男性メンバーとして開設前から運営に関わってきた黒須悟士(さとし)さんは、「ずっと仕事優先で地域社会に関心の薄かった自分が、地域の方々との交流を通じ、地域社会の多様性と可能性に触れることができたのは貴重な機会だった」と振り返り、「閉館まで時間は少ないのですが、『男性の地域参加』を促す一助となれば、とずっと温めていた企画を今月行います」と話します。
そんな企画が「男の料理教室(女性も)」と題した料理教室で、黒須さんが子どもを保育園に送迎していた時代に“パパ友”だったという日吉本町在住でフランス料理に造詣の深いシェフ・大村光洋(みつひろ)さんを講師に迎え、「魚の捌(さば)き方」(10月14日)や「離乳食」(10月28日)をテーマに開催。
「14日の『魚の捌き方』は自分が出来ないのでやってみたいのと、28日の『離乳食』は自分も困った経験があったので、参加者のお役に立てるかなと思い企画した」(黒須さん)といい、男性に限らず女性の参加も歓迎とのことです。
■ 第1回「魚の捌き方」
日時:10月14日(日)10時~11時
参加費1,000円+実費(魚の購入代金として500円から1,000円程度)
■ 第2回「離乳食」
日時:10月28日(日)10時~11時
参加費1,000円+実費(材料の購入代金として数百円程度)
*2018年10月16日追記: 小学校低学年くらいまでの保護者向けに対象を拡大、安全で美味しい食事を手間暇少なく届けることを目的とし、実施予定となりました(主催者発表)
申し込みと詳細:こちらのページ
一方、よってこしもだの最終日となる11月3日(土)は、下田公会堂など周辺一帯で行われる「下田ふれあい祭り」の一環として、恒例の「よってこ手作り市」を開催します。
地域住民が自慢の手作り品を持ち寄って、アクセサリーやぬいぐるみなどの出品・販売を行うほか、藤田農園(高田町)の採りたて野菜販売も実施。クリスマスリース作りのワークショップも行われる予定です。
昭和の温もりが残る「よってこしもだ」に足を運ぶことが出来る機会も残すは一か月弱。今のうちにふらりと立ち寄ってみたり、イベントに参加したりしてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
・“空き家”活用の先進事例「よってこしもだ」で月2回の親子英会話教室(2015年12月5日、開設までの経緯など)
【参考リンク】
・10月14日(日)・28日(日)開催「男の料理教室(女も)」の案内と申し込み