箕輪町「みんなのみらい園」の源流へ、地域に支えられ子どもへの愛育む運営 | 横浜日吉新聞

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法人サポーター会員による提供記事です】乳・幼児期に、落ち着いた環境の中で「周囲から愛されて」過ごす――本来すべての人が経験しなくてはならない、人生のスタートを実践しています。

日吉初の「企業主導型保育園」として今年(2018年)4月に開園した「みんなのみらい日吉園」。箕輪町2丁目の東京綜合写真専門学校(学校法人写真学園)内にある

日吉初の「企業主導型保育園」として今年(2018年)4月に開園した「みんなのみらい日吉園」。箕輪町2丁目の東京綜合写真専門学校(学校法人写真学園)内にある

今年(2018年)4月、箕輪町2丁目にある東京綜合写真専門学校(学校法人写真学園・伊奈英次校長)内(日吉駅から徒歩約8分)に、日吉地区初の「企業主導型保育園」として開園した「みんなのみらい日吉園」の源流は、岩手県盛岡市にあります。

同園を経営する株式会社みんなのみらい計画代表取締役社長・濵田(はまだ)和人さんは、広島県の出身ですが、家庭の都合で移り住んだ盛岡で、保育園の運営に携わります。

そして、幼稚園教諭小学校支援員としての勤務経験があった、同社取締役副社長を現在務める近藤由紀江さんと出会い、お互いの保育への想いに共感しあったといいます。

株式会社みんなのみらい計画の第一号保育園「みんなのみらい青山園」は、岩手県盛岡市内の一般民家だった建物を利用し運営。写真は同社の近藤由紀江副社長

株式会社みんなのみらい計画の第一号保育園「みんなのみらい青山園」は、岩手県盛岡市内の一般民家だった建物を利用し運営。写真は同社の近藤由紀江副社長

保育理念は、「みんなから愛される経験があって こどもたちのみらいが始まる」、保育方針には、「ひとりひとりの存在を大切に」を掲げ、子どもたち一人ひとりにより添りそう保育を、という想いで、新しい保育園「みんなのみらい青山園」(盛岡市西青山)を昨年(2017年)4月に開園させることに。

ここが、「みんなのみらい園」の源流となる場所。濵田さん、近藤さんが夢に描いた「第一号」の保育園となった同園をこのたび訪問し、同社がどのように「子どもたちへの愛」を、地域ぐるみで育む保育を行っているのか、また、その園運営の様子をたどりました。

住宅街の「一軒家」が保育園、地域ぐるみの支援で家庭的な園を運営

園舎の入口は「普通の玄関」。家庭的な雰囲気に満ちている

園舎の入口は「普通の玄関」。家庭的な雰囲気に満ちている

JR東北本線・東北新幹線の盛岡駅(盛岡市)から車で約20分。閑静な住宅街にある「青山園」は、保育園不足が言われる0歳児から2歳児までの16人が通園。定員に達した状態だといいます。

園舎は、普通の「庭付き一戸建て」。約160坪(約528平方メートル)の敷地には、家屋(園舎)スペースと、子どもたちが遊べる庭も。

「ここが保育園だとは思えないですよね」と、園設立時には園長も務めた近藤さんは、会社理念にもぴったりマッチしているかのような「家庭的な場所」での保育について、少しずつ説明します。

「幼いこどもたちにまず愛される経験を。自己肯定感は愛される経験が土台」との理念で保育を実践。保育士同士の会話も、子どもたちに与える影響が大きいという

「幼いこどもたちにまず愛される経験を。自己肯定感は愛される経験が土台」との理念で保育を実践。保育士同士の会話も、子どもたちに与える影響が大きいという

土地・家屋の所有者が、高齢化などによりこの「家」を貸し出したことから、濵田さん、近藤さんがこの場所での開園準備を進めていくことに。

近所の人々含め、周辺の人々の後押しもあり、盛岡市の「認可地域型保育A型」園として、無事開園することができたといいます。

地域型保育事業とは、市町村の認可事業として創設された事業であり、3歳未満児の保育を確保するため,認可保育所よりも少人数の規模で保育を行う事業と盛岡市は定めています。

居間を改装した保育室で過ごす時間は祖父母の家にいるかのよう

居間を改装した保育室で過ごす時間は祖父母の家にいるかのよう

地区に新しく誕生した同園を、地域の高齢化が背景にあるからか、「地域の方々が、子どもたちに積極的に声をかけてくださり、自身のお子さんがお使いになっていたという、大切な絵本やぬいぐるみ、ソファーや冷蔵庫まで寄付してくれるなど、本当に心からの支援をいただくことができました」と、近藤さん。

取材日にも、近所の方から差し入れの「茹でたてとうもろこし」が届けられる光景も。

夢にまで描いた新規事業での園が、「地域の人々の支援や支え」により実現できたと、周辺住民への心からの感謝を日々感じているといいます。

自己肯定感を感じられる保育理念で、全国各地からの引き合いも

広々とした「普通の庭」も子どもたちの遊び場に

広々とした「普通の庭」も子どもたちの遊び場に

同社の運営理念は、こどもの貧困や虐待が社会問題化することを憂い、「こどもも、おとなも人として生まれてきて本当によかったと思える」ような人生を具現化すること。

「どうしたらいのちや暮らしが大切にされるか、人間らしさとは何か」といった問いかけから、同園は誕生に至ったといいます。

「夏休みは、親戚中が集まるような雰囲気でした」と笑う近藤さん。開園2年目でより落ち着いた雰囲気を醸(かも)す同園の園長・丸山雅枝さんら、保育スタッフの熟練度も増し、“より(人から)愛される”そんな幸せな時間を感じられるような保育に、力を注いでいるとのこと。

園児の親が働く農家の野菜も直売している

園児の親が働く農家の野菜も直売している

同園の入口前には、「園児の親が作っている新鮮野菜も直売しているんです。地域の皆さんも、“美味しい”、“近くで買えて助かる”と、笑顔で来園くださって」と微笑む近藤さん。

自身、待機児童問題に悩まされ、2人の育児に奔走した経験を持つ近藤さんらが、同園を運営する姿が支持されてきたためか、現在、同社は、東北地方から東海地方に至るエリアにおいて、直営保育施設の地域型の園として2園、企業主導型保育園として1園(日吉園)、企業主導型運営委託園として3園、企業主導型運営支援園として1園の計7園もの運営(コンサルティング含む)を行うまでに成長しています。

現在、青山園の園長を務める丸山雅枝さん(左)と、近藤副社長。「愛情を持って丁寧に語ること」を理念に、保育を行っている

現在、青山園の園長を務める丸山雅枝さん(左)と、近藤副社長。「愛情を持って丁寧に語ること」を理念に、保育を行っている

日吉の園でも、「運営形態は異なりますが、理念は貫いていきたい」と、各園の運営のため全国狭しと駆け巡る近藤さんの姿は、一人ひとりの保護者、子どもたちが「愛情」と「居場所」を感じられる園としての同園の存在感を、より高めていくことになりそうです。

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【参考リンク】

株式会社みんなのみらい計画の公式サイト

法人サポーター会員:みんなのみらい日吉園~株式会社みんなのみらい計画 提供)


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