日吉本町の子育て施設が10周年イベントを開催、仲間作りや悩み相談も

横浜日吉新聞

日吉の親と子が集う子育て支援施設が開設10年目を迎えました。地下鉄グリーンライン日吉本町駅から徒歩約10分。日吉台中学校(日吉本町4)からも徒歩約4分のビル1階にある「親と子のつどいの広場 こんぺいとう」は、横浜市の「親と子のつどいの広場」として2009年4月に開設。地域の子育て中の親子(主に0歳から3歳の未就学児と保護者)を対象とし、子育て支援施設としての「居場所」を提供しています。

横浜市の「親と子のつどいの広場」として2009(平成21)年4月オープンした「こんぺいとう」。同施設を運営するNPO法人日吉子育て応援団・理事長の上久保ふじえさん(左)、“日吉の子育て支援の第一人者”と言われる橋本ミチ子さん

横浜市の「親と子のつどいの広場」として2009(平成21)年4月オープンした「こんぺいとう」。同施設を運営するNPO法人日吉子育て応援団・理事長の上久保ふじえさん(左)、“日吉の子育て支援の第一人者”と言われる橋本ミチ子さん

同施設を運営するNPO法人日吉子育て応援団(同)理事長の上久保(かみくぼ)ふじえさんNPO法人横浜にプレイパークを創ろうネットワーク(神奈川区六角橋)の前理事長で、現在は理事・コーディネーターを務める橋本ミチ子さんは、「横浜市でも初めてとなる『子育てサロン はひふへほ』の立ち上げにもかかわったんです」(橋本さん)と、これまでの日吉地区の子育て支援の歩みを振り返ります。

橋本さんは、東北地方福島県原ノ町(南相馬市)出身。18歳の時に就職で神奈川区神大寺へ。結婚し川崎市、そして下田町の日吉団地(現在のサンヴァリエ日吉、UR都市機構)に1979(昭和54)年に転入。

当時は「宅地造成がこの地で行われ、団塊ジュニア世代の子どもたちがあふれていた時代。入る幼稚園の確保すら、徹夜で入園申込に並んでも難しい時代だったんです」と、橋本さんは懐かしい日吉・下田町へやってきたころの「厳しい子育て情勢」について説明します。

「幼稚園が足りない」時代、幼児教室や育児サークル立ち上げ

橋本さんは、日吉団地の集会所の一室で幼児教室の運営をスタート。「全国集会で学ぶ機会があり、社会運動にもなっていました」という時勢の中、まずは自分の子どもからと、幼稚園や保育園の「良いところ」を学び、教室運営を行ったといいます。

「こんぺいとう」は、来年2019年4月で満10年となることから、10周年記念イベントが7月に2度行われている

「こんぺいとう」は、来年2019年4月で満10年となることから、10周年記念イベントが7月に2度行われている

この頃、保健師や栄養士などとの子育て支援の勉強会も活発化。日吉エリアでも「育児サークル」が数多く誕生した時代背景があったとのこと。

そういった中で、日吉に1986(昭和61)年に新たに誕生した「ハロークラブ」という、障がい児の育児を支援し活動するサークルの運営を橋本さんは手伝います。

障がい児のみ特別視するのではなく「障がいがある子も、普通に社会で生きられる会の理念に共感したんです」と、当時から今にもつながる仲間たちとの出会いも多数あり、現在につながっていると、「子育て」「育児」を通じた輪が広がり、その理念についても「誰もが」共有できるサークルを増やしていったといいます。

公園や森で遊ぶつながりから「プレイパーク」活動へ

様々な地域情報や子育て情報も集まるので、情報収集にも適している

様々な地域情報や子育て情報も集まるので、情報収集にも適している

その後も、綱島公園(綱島台)で遊ぶ会や、日吉駅近くの雑木林や慶應義塾大学付近でも遊ぶ「ちびっこたんけん」など、外遊びをする会でも積極的に活動をしていた橋本さんは、1991(平成3)年に「楽しい遊び場を創る会」を発足。外遊びの啓発と実践を行い、現在、日吉本町鯛ケ崎公園(日吉本町5)で行っている「プレイパーク」(同管理運営委員会・青博孝会長)活動へと発展するに至ります。

「自分たちの木を、1本選び、名前を付ける遊びをしていました」と、現在の日吉の丘公園(箕輪町3)の場所にあった雑木林・箕輪の森(2002年に公園化)で遊ぶ「アオバズクの会」で橋本さんと知り合ったという上久保さんも、日吉周辺の森で子どもたちと一緒に遊んだ頃を懐かしみます。

鯛ケ崎公園での遊び場を確保した橋本さん、上久保さんらは、箕輪の森が日吉の丘公園として整備されるにあたっても「自然を活かした公園化を」と活動。現在のように自然保護する色彩が強い公園として開園することになったといいます。

子育て仲間つなぐ「ネットワーク」づくり、そしてサロン開設へ

日吉地区の子育てボランティアをつなぐ「ポコ・ア・ポコ」の設立に参加した神島理惠子(かみしまりえこ)さん(右)は、現在NPO法人日吉子育て応援団の副理事長。今年(2018年)4月からは日吉台中学校の学校地域コーディネーターにも就任した

日吉地区の子育てボランティアをつなぐ「ポコ・ア・ポコ」の設立に参加した神島理惠子(かみしまりえこ)さん(右)は、現在NPO法人日吉子育て応援団の副理事長。今年(2018年)4月からは日吉台中学校の学校地域コーディネーターにも就任した

橋本さんらは、数々の子育てサークルや、公園遊びの会の設立に協力するなど尽力し、その仲間たちをつなぐ日吉地区子育て応援ボランティアネットワーク「ポコ・ア・ポコ」を、2000(平成12)年に発足します。

また、2002(平成14)年9月には、港北区の助成金や、日吉地区・港北区社会福祉協議会の協力を得て、子育てサロン「はひふへほ」を、日吉台中学校コミュニティスクール(日吉本町4)内に開設します。

子育てが終わってしまった後のスタッフらがそれらを運営することになると、「そこで世代間ギャップや意識の差も生じてしまうのです。まさに学び合う、話し合う環境の中から、子どもや親たちの“居場所”となるサロンや、“地域で子どもたちが生き生きと遊べる場”としてのプレイパークが誕生したんです」と、橋本さんは、子ども、そして親たちの居場所にも想いを砕き、社会福祉協議会をはじめとした多くの人々の協力により、一人ひとりの「居場所」そして「楽しい場所」を作ってきたと、これまでの歩みをしみじみと振り返ります。

つどいの広場「こんぺいとう」が誕生、誰でも立ち寄れる場所に

子育てサロン「はひふへほ」は、毎週火曜日(祝日・第1週休み)と常設の場所ではなかったこともあり、日吉エリアでも、横浜市の施策「親と子のつどいの広場」事業ニーズの必要性が高まり、2009(平成21)年4月、「こんぺいとう」を開設。

人気の小さな「すべり台」前で。橋本さんと神島さん(右)。「綺麗になった娘さんが、“お世話になりました”と突然戻ってきてくれることがあって。びっくりし、心から嬉しく思います」と、橋本さんらは“誰もが顔見知り”、そして“戻れる”場所としてのこの街をより育みたいという

人気の小さな「すべり台」前で。橋本さんと神島さん(右)。「綺麗になった娘さんが、“お世話になりました”と突然戻ってきてくれることがあって。びっくりし、心から嬉しく思います」と、橋本さんらは“誰もが顔見知り”、そして“戻れる”場所としてのこの街をより育みたいという

0歳から3歳の子が安心して遊べるスペース・居場所の提供や、親に向けた子育て講座や育児相談会、ランチ会、カフェなどの交流事業も実施しています。

2017年からは子どもとパパだけの交流機会「こんぺいとうさん」も毎月第3土曜日の午前(10時30分から12時まで)に設定。

初めての出産を控えた人を対象とした「マタニティ広場」も、同じく毎月第3土曜日の午後(13時30分から15時まで)に開催しています(夫婦での参加も可)

橋本さん、上久保さんら「こんぺいとう」のメンバーが目指すのは、「誰でも立ち寄れる場所」「こんぺいとう」の利用料金を無料にしているのは、そのためなんです。経済的にゆとりがある人ばかりではなく、あらゆる人が集える場でありたい」ということ。

当時、日吉地区連合町内会の薄井芳夫前会長をはじめとした地域の人々の力強い協力があり開設できたことへの感謝を抱きながら、その恩返しも果たしたいという想いを、橋本さんは力を込めて語ります。

10年後、20年後も「仲間づくり」ができる居場所、そして街に

先月(2018年)7月に、2度の「10周年記念イベント」も来館者との協力で実現させた「こんぺいとう」には、平均10数組を越える親子が、月曜日から金曜日の平日の開館時間(9時から16時、火曜日と第2金曜日は12時まで)に、ひっきりなしに訪れます。

理事長の上久保さん(左)は、日吉本町東町会(日吉本町1~4丁目付近の自治会町内会)の活動でも活躍中。「地域の人々の協力なしにこの施設はできなかった」と、感謝の想いで日々の運営を行っているという

理事長の上久保さん(左)は、日吉本町東町会(日吉本町1~4丁目付近の自治会町内会)の活動でも活躍中。「地域の人々の協力なしにこの施設はできなかった」と、感謝の想いで日々の運営を行っているという

また、運営する側も、約25人を数える運営側の正会員や、15人にも増えたボランティアスタッフが、日々同施設を盛り上げ、来館者対応やイベント企画などの施設運営を行っています。

特に、橋本さん、上久保さんが強く抱いているのは、「子育てを学び合うことで友だちができる、仲間となる、そして心開き、話し合える相手を、たった1人からでも作れる場所として利用してもらいたい」との思い。

横浜市からの補助を受けながら、また賛助会員らの支援によりこの施設を続けていくことで、「地域の中で育ち、生きる子どもになってもらいたい」と、まさに“地域の居場所”としてのこんぺいとうを運営する責務を感じながら、「この場所を、できる限り長く続けていきたい」との決意も、日々新たにしているといいます。

その歩みは、10年後、そして20年後、そしてさらなる未来へ。

入口側のディスプレイは、職業体験に来ていた日吉台中学校の生徒がアレンジしてくれた。「無料で使える施設。子の入園前のママ友探しに、悩み相談などにもぜひ来場してもらえたら」と上久保さん

入口側のディスプレイは、職業体験に来ていた日吉台中学校の生徒がアレンジしてくれた。「無料で使える施設。子の入園前のママ友探しに、悩み相談などにもぜひ来場してもらえたら」と上久保さん

「仲間がいる地域にしたい」と、笑顔で語る橋本さん。

横浜にプレイパークを創ろうネットワークの理事・コーディネーターとして広く活躍しながらも、26年間日吉に住んだ経験や日々の想いを込めて、「若い子育て世代に、力をつけてもらえたら」と、朗らかに語るそのさまは、まさに「日吉の子育ての母」

“豪快”に笑うその表情には、「子どもが“小学校に入る前”の友だちをまずは作り、その大切な友だちをずっと大切にしてもらいたい」との想いが、ぎゅっと込められているかのようです。

【関連記事】

プレパパ・ママの交流を、6/23(土)午前に高田西の子育て支援施設で(2018年6月19日)※「こんぺいとう」でも、同交流事業を実施

【参考リンク】

横浜市補助事業 親と子のつどいの広場 こんぺいとう(NPO法人日吉子育て応援団)

子どもの居場所情報箱 NPO法人日吉子育て応援団 こんぺいとう(神奈川子ども未来ファンド)※活動実績、これまでの歴史の記載あり

親と子のつどいの広場こんぺいとうブログ(@nifty ココログ)

親と子のつどいの広場事業(横浜市のサイト)

YPCネットワーク(横浜にプレイパークを創ろうネットワーク)


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