日吉駅での“人生100年・100万円プレゼント”は、箕輪町「日吉大規模開発」のPR戦略

横浜日吉新聞

100万円分プレゼントと銘打ち、箕輪町で行われる大規模再開発のキャンペーンが先月末(2018年4月)から始まりました。箕輪町2丁目の旧アピタ日吉店など一連の跡地に1320戸のマンションなどを整備する構想の「箕輪町計画」について、野村不動産などは“(仮称)日吉大規模複合開発プロジェクト”と命名し、日吉駅構内やインターネット上でキャンペーンを展開していますが、再開発計画自体は前面に打ち出されていません。

ゴールデンウイーク中に日吉駅構内で行われていた箕輪町2丁目の大規模再開発をPRするキャンペーンでは、「100万円」や「人生100年時代」などの文字が目立ち、再開発に関するものであることはほとんど打ち出されていなかった(4月28日)

このゴールデンウイーク中、日吉駅の綱島街道側に設けられた特設ブースでは、「100万円分サポートします」などと書かれたのぼりを立て、回転式の抽選器を設置。駅構内でポケットティッシュ付きのチラシを配布し、アンケートに答えるとキッチンセットなどが当たるとして、「人生100年を考えようLAB(ラボ)」と書かれた水色のシャツを着た係員が通行人をブースに呼び込む姿が見られました。

同キャンペーンで特徴的なのが、箕輪町の大規模再開発自体のPRを前面に打ち出していない点で、日吉駅構内で展開したキャンペーンでも、「100万円」や「人生100年」といった文字が目立ち、これが箕輪町での開発に関連したものであることを気づくのが難しいほど。

通行人らに配っていた「人生100年時代、あなたはどんな夢を描きますか?」と題した両面印刷のチラシには、「人生100年 100万円分 夢応援チケットプレゼント!」などと記載。抽選で1名に“100万円分の夢応援チケット”をプレゼントするとする内容で、反対面にはスーパーコンピュータ開発で知られる日本SGIなどが開発したロボット「Posy(ポージー)」の姿を大きく載せています。

「(仮称)日吉大規模複合開発プロジェクト」の公式サイトは、ロボットの姿や“人生100年時代”といったメッセージを前面に打ち出している

チラシでのマンションに関する記載は、ロボットの写真下部に「野村不動産グループのまちづくりイノベーション」「分譲マンション1320戸(予定)『住』・『商』・『健』・『学』の大規模複合開発、はじまる」といった文字情報のみにとどめ、その割合はチラシ両面全体の6分の1ほどしかありませんでした。

すでに箕輪町2丁目の再開発計画地でもこうしたPR展開は行われており、ここではチラシ同様の赤い色合いの大型ポスターに「2050年には100歳以上の人口が10倍になると推計されています」「人生100年時代、一生の一度の夢では終わらない街づくり、はじまる」といった大きな文字が躍っています。

日吉大規模複合開発プロジェクトの特設サイト「人生100年LAB(ラボ)」からは「100万円分 夢応援チケットキャンペーン」への応募も可能となっている

インターネット上のサイトも、ロボットを前面に出したデザインで、計画に関する情報はページ下部に掲載。別に「人生100年を考えようLAB(ラボ)」と題した特設サイトを公開し、識者へのインタビュー記事を掲載するとともに、「100万円分 夢応援チケットキャンペーン」への応募も受け付けています。

同キャンペーンの応募時に入力する個人情報の利用目的について、サイトの応募フォームには、「当社(野村不動産)の事業に関し、郵便、電子メール、電話、訪問等による資料送付、情報提供、商品・サービスの案内・勧誘、イベント告知、アンケート収集等の営業活動を行うため」などと記載。野村不動産のほか、大阪市に本社を置く関西電力傘下の関電不動産開発株式会社と、同じく大阪市のマンション販売受託事業者の株式会社ライフステージが共同事業主として名を連ねており、応募時の個人情報は3社それぞれで利用目的を定めています。

同キャンペーンへの応募が完了した時点で、3社による「個人情報の利用目的」に同意したことになるため、物件や情報の提供に興味や関心がない場合は、応募に際して検討が必要です。

「住民の理解を得られていないあらわれ」と反発も

一方、箕輪町での大規模再開発をPRするキャンペーンが始まったことに対し、箕輪町2丁目や周辺の住民らでつくる「住みよい綱島・箕輪・日吉のまちを考える会」は疑問の声を上げています。

箕輪町2丁目の計画地でもロボットや「人生100年時代」などのキャッチコピーによる大規模開発のPRが行われている

代表をつとめる木間誠司さんは、「とてもこれが箕輪町のど真ん中に、高さ60メートル長さ200メートルにわたって作られるコンクリートの壁に象徴される大型マンションの売り出しキャンペーンとは、誰にも思われない内容」との感想を述べたうえで、「こんな姑息なやり方でしか売り出しキャンペーンができないのは、野村不動産によるこの『街づくり』計画が、いかに住民の理解が得られていないかのあらわれではないでしょうか」と指摘します。

同会は、同計画での建物の高さが最高60メートルにおよぶことによる周辺住環境の悪化懸念をはじめ、同計画地内で横浜市が新たに建てる市立箕輪小学校と、野村不動産が建てるマンションの壁面が近いことによる圧迫感に対する懸念や、1320戸のマンションに対して保育所が1カ所しか整備されない点などを問題視し、住民集会や横浜市会への請願などの活動を続けてきました。

住民に十分な説明もできていない現状で、工事の着工など絶対に認められません。ましてやマンションの販売キャンペーンなど、もってのほか」(木間さん)といい、開発事業者である野村不動産に再度説明会を開くことを要望しており、「これからも住環境を守り向上するための運動をねばりづよく進めていきたい」(同)と話しています。

【関連記事】

<箕輪町計画で説明会>日大高寄りの「A工区」着工を控え住民ら問題点を指摘(2018年3月2日)

<箕輪町計画>住民545人がマンション壁面と小学校を離すよう「請願」、横浜市会は“否決”(2018年2月20日)

【参考リンク】

「(仮称)日吉大規模複合開発プロジェクトの公式サイト」(野村不動産)

(仮称)日吉大規模複合開発プロジェクトの特設サイト「人生100年LAB(ラボ)」(野村不動産・関電不動産開発)


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