今年(2018年)4月、日吉駅から徒歩約8分の箕輪町2丁目にある「東京綜合写真専門学校」の1階に新たな保育園が開園します。この園は内閣府が行う「企業主導型保育事業」により、岩手県盛岡市に本社を置く株式会社みんなのみらい計画(濵田和人社長)が新設するもので、0歳から2歳まで定員19名のうち、同園職員らの利用枠を除き、地域利用枠として園児を受け入れる考えです。
企業主導型保育事業は、市区町村が運営する認可保育所や小規模保育園(小規模保育事業)など以外にも、企業による従業員向け保育施設の設置を促し、国全体で保育の受け皿を増やすため、2016(平成28)年度から国が独自に始めた制度。港北区内の企業主導型保育施設は、昨年4月に菊名6丁目で開園した「キッズラボ菊名園」などに次ぎ、現時点では今回が3園目とみられます。
保育園自体のカテゴリは“認可外”として位置付けられていますが、職員の配置数や設備などの基準を国が定め、適合した施設に運営費を助成。そのため、保護者が負担する保育料は一定額に抑えられているのが特徴です。
たとえば、横浜市の認可保育所では、世帯の収入額などに応じて保育料が月額2100円から同7万7500円(生活保護世帯などは月額0円の場合もあり)まで大きく変動しますが、企業主導型では月額3万5900円(0歳児=2017年度基準)と同3万5700円(1~2歳児=同)に固定。また、保育時間を柔軟に設定したり、従業員以外にも定員の一部を地域に開放したりすることも可能となっています。
今回、東京綜合写真専門学校に設けられるみんなのみらい計画による「みんなのみらい日吉園」は、同社の社員である保育士や看護師らが利用する枠以外は地域枠として園児を募集する考え。年末年始を除き、日曜日や祝日も含め週7日間、7時から21時まで開園する予定だといいます(保育は最大週6日間・1日あたり11時間まで)。
運営者のみんなのみらい計画は、盛岡市や名古屋市などで保育施設3園を運営。社長をつとめる濵田和人さんによると、ドイツから世界に広がり、日本の幼稚園などで取り入れられることが多い「シュタイナー教育」に根差した保育を行っているといいます。
園の保育方針について濱田さんは、「特に自己肯定感を育む保育を展開しています。幼いこどもたちは愛される経験が大切であり、自己肯定感は愛される経験が土台となるものです。日常生活のリズムを大切にしながら、あそびに夢中になれる環境を提供していきます」と話します。
一方、東京綜合写真専門学校は、校舎の有効活用を図るために昨年、1階の一部をテナントとして貸し出す方針を決めており、教育機関と親和性が高く、地域貢献にもつながる保育園を誘致。校舎内に新たに保育室を設置するほか、学生の自転車置場などとして使われていたスペースも園庭として開放する計画です。
みんなのみらい日吉園では、来月(2月)10日(土)の10時から12時まで、入園説明会と施設見学会を行う予定となっています。
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【参考リンク】
・みんなのみらい日吉園、入園説明会と施設見学会のお知らせ(株式会社みんなのみらい計画、2018年2月10日開催)
・みんなのみらい日吉園、保育料のお知らせ(株式会社みんなのみらい計画)
・企業主導型保育事業の概要について(内閣府)
・東京綜合写真専門学校(箕輪町2、東横線高架近く)