大地震が発生すると「救急車」は出動しない、消防署はまず火災対応に全力 | 横浜日吉新聞

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東日本大震災の発生からきょう(2017年3月)11日(土)で6年目を迎えました。横浜市では、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が78%と予測されており、いつ大きな地震が発生しても不思議ではない状況です。そんななかで、大地震が起きた際にどう生き延びるかを常に考えておくことが重要ではないでしょうか。

大きな地震が発生すると、ケガをしても救急車に助けを求めることはできなくなる

地震が起きた際に第一にすべきは、1~2分間の強い揺れに耐えて命を守ることですが、もしケガをしたり、動けなくなったりした時は、少々困ることになります。地震発生後は、救急車が出動できなくなるからです。

港北区内には大豆戸町の区役所に併設された「港北消防署」をはじめ、「日吉」や「篠原」「高田」「新羽」各消防出張所には救急車が各1台あり、救急隊が常駐していますが、大きな地震が発生した際には救急隊は出動せず、最優先で火災の消火に当たるといい、これは横浜市防災計画にも明記されています。

港北区内にある救急車は5~6台程度しかなく、ケガ人が相次ぐと対処が難しくなる

たとえ火災が起こっていなかったとしても、建物や電柱などの倒壊で道路が寸断されていると救急車による救助は難しくなりますし、港北区内には34万人超が住んでいますが、区内に存在する救急車はわずか5~6台です。ケガ人が相次いだ場合は、救急車に来てもらうことはほぼ不可能に近いといえます。大きな地震が起きた際は、救急車は来てくれない――。これは覚えておく必要があります。

なお、地震時には区の医師会などが1隊12~14人から成る医療救護隊を結成し、城郷小学校や港北小学校、大綱中学校、綱島東小学校、日吉南小学校、下田小学校、高田中学校、新吉田小学校、新羽小学校の9拠点に集まるため、病院へたどり着けないような大地震の際は、避難場所である小学校へ助けを求める形になりそうです。

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【参考リンク】

港北区防災計画・震災対策編PDF、2013年)

港北消防署「出張所」の紹介(綱島と小机には救急車がない)


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