日本最古のアマチュア学生音楽団体であり慶應義塾大学にて最大のオーケストラとして知られる慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ(ワグネル)の今年度(2016年度)のセクション(パート)別演奏会がいよいよ最終章を迎えます。
あす2017年2月18日(土)14時15分(14時開場)からは低管演奏会(トロンボーン・チューバ)、2月19日(日)14時30分(14時開場)からはホルン演奏会を実施、いずれも日吉駅前・慶應義塾大学日吉キャンパス協生館2階にある藤原洋記念ホールにて開催します。
ワグネル・オーケストラでは「毎日の練習量も多く、ワグネルへの入団もオーディションがあったりと、部員ひとりひとりに音楽に対して常にシビアな姿勢が求められている」(次期金管セクションリーダー・舟橋采里=あやり さん)とのこと。
ワグネルならではのハイレベルな演奏と、パート別ならではの「司会が曲目紹介をしながらの進行となります」(ホルンパート・トップの湯浅海貴=かいき さん)というような親しみやすい雰囲気で演奏を楽しめるコンサートとなっています。
“オーケストラの縁の下の力持ち”トロンボーン・チューバが主役
「低管演」と称されたトロンボーン・チューバといった低い音を奏でる金管楽器のパート演奏会では、総勢24人が約14曲を演奏予定。一番の大曲は現役の大学生メンバーと、同パートの出身者(OB・OG)全員で演奏する「パッサカリア」(バッハ)が聞きどころとのこと。
今回のコンサートに向けた思いとしては、もうすぐ4年生が3月に卒業してしまうこともあり、「一人ひとりの思い入れも非常に強いです」と舟橋さん。
渋谷や新宿などの東京の名所をモチーフにしたトロンボーン4重奏「Tokyo Triptych」(スパーク)や、東日本大震災の際に日本の復興を願って作られた「A Song for Japan」(フェルヘルスト)、また日本人作曲家・高嶋圭子による「春の呼ぶ声を聞く」というトロンボーンデュオやバリトン・チューバ4重奏「ラ〜メン・ヌードルズ」(八木澤教司)など、今回は日本をテーマにした楽曲が中心となっているといい、他にも「ディズニープリンセスメドレー」や「ゴスペルタイムズ」などのポップスのアンサンブルなど、多彩なプログラムを組んだといいます。
普段は低音を担当し、“オーケストラの縁の下の力持ち”役となっているイメージのトロンボーンやチューバですが、実はソロやカルテット、ポップスやジャズなど幅広い形態で活躍する楽器なんだとか。
「オーケストラとは一味違う、少し小さい形のアンサンブルになることで、部員ひとりひとりの思いやお互いへの信頼感がより伝わりやすい演奏会になればと日々練習に取り組んできました。トロンボーン・チューバならではの“かっこいい姿”をぜひ見に来ていただけたら」と、当日の来訪を広く呼び掛けます。
今年もホルンの大合奏に注目、オープニングにはアルペンホルンも
一方、昨年(2016年)もホールが満員、大盛況に終わったホルン・パートの「大迫力」演奏会は、今年は14曲・ピアノ、弦楽器も含め総勢36人が出演予定で、現役メンバー全員で12重奏する「ボヘミアン・ラプソディ」(フレディ・マーキュリー)や、29名で演奏する「ジークフリート・ファンタジー」(リヒャルト・ワーグナー)が聞きどころになるとのこと。
パートトップとして仲間たちを引っ張ってきた湯浅さんは、「パート内の仲の良さを生かした大編成の曲が多くなっているため、大迫力の演奏をお届けできると思います。またジブリ、西部劇音楽メドレー、そして昨年秋から冬にかけて大ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で話題になった星野源さんの「恋」など、クラシック以外の親しみやすい曲も数多く用意しているので、普段あまりクラシックを聴かない方でもお楽しみいただけると思います」と、親しみやすい選曲を行ったといいます。
特にオープニングに演奏する「アルプスの少女ハイジ」(渡辺岳夫)では、「滅多に聴くことができない」というアルプホルン(アルペンホルン=スイスなどの山間部で使用される民族楽器)を使用して演奏を行うとのことで、「ぜひ一つひとつの楽曲をお楽しみください」と、湯浅さんは卒業を前にした4年間の集大成となる藤原ホールでのコンサートに“想い”を込めます。
いずれの演奏会も入場無料・事前予約不要。冬から春へ。学生時代の集大成、“音でつながる”メンバーらが奏でる珠玉のハーモニーを、ぜひ今回も日吉で体感してみてはいかがでしょうか。
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・大迫力のホルン30台の大合奏がメインの無料コンサート、1/17(日)藤原ホールで(2016年1月8日)
【参考リンク】
・“Wagner Horn section concert 2017″フェイスブックページ
・慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ 公式サイト
・慶應義塾大学日吉キャンパス協生館の公式サイト(藤原洋記念ホールへのアクセス)