若手注目作家が「天の川」も表現、2/26(日)まで日吉駅近で新作アクセサリー展示会 | 横浜日吉新聞

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すっかり日吉の街の「顔」となったファッションレンタルサロン・フロラシオンに、「アクセサリーの天の川」が登場!(写真:同店提供)

すっかり日吉の街の「顔」となったファッションレンタルサロン・フロラシオンに、「アクセサリーの天の川」が登場!(写真:同店提供)

いつもの店舗にアクセサリーの「天の川」も登場――日吉駅から徒歩4分のファッションレンタルサロン「floracion(フロラシオン)」(株式会社クリエイティブライト:日吉2)では、今週末の2017年2月4日(土)から2月26日(日)まで、ハンドメイドアクセサリー作家による合同新作展示・販売会を行います。

その日・その時の「服」を気軽にレンタルできることで好評を博している同店は、併せ展示・販売している若手作家を中心としたハンドメイドのアクセサリーや小物の販売も人気。今回は、常設展示している作家7名のうち、4名が新作を出展する予定です。

今回のイベント開催に併せ、同店には星空をイメージしたアクセサリーのディスプレイ「宙(sora)に星を織る」が新たに登場。この「天の川」を模したディスプレイを作り出した若手新進気鋭作家 エスネス・ノモック(Esnes Nommoc)さん(川崎在住)の作品、その背景にある“世界観”には、アクセサリーファンのみならず、多くの人々からの注目が集まっているといいます。

「何かを作るのが好き」がクリエイターとしての“原点”

夢と優しさが作風にあふれることで知られるクリエイターのエスネス・ノモックさんは横浜生まれ。「実は、小さい頃は綱島で暮らしていたんです」。幼稚園に入園する前に川崎に転居した後、小学生の頃はサッカー、中学時代からはテニスに親しむスポーツ少年だったというエスネスさん。

高校もまさに「日吉に近い」法政二高で青春を過ごし、法政大学へ進学。当時、SNS(ソーシャルネット)のミクシィ(mixi)が流行していたこともあり「仲間を集めてテニスのクラブチームを作ったりもしていました。元々ある組織に入るよりも、自分で何か作っていくのが好きなのかもしれません」と、今につながる「クリエイティブ」なセンスを活かし、多くの周囲の仲間たちと想い出を共有していたと語ります。

エスネス・ノモックさんは川崎市在住。名前の由来は、Common Sense(英語で良識とか、現実的に判断をする能力という意味)のスペルを逆さまから読んで「Esnes Nommoc」、つまり常識とか、既存の周囲の考えに縛られないような活動をしようと決意したから、とのこと(写真:エスネス・ノモックさんのTwitterより)

エスネス・ノモックさんは川崎市在住。名前の由来は、Common Sense(英語で良識とか、現実的に判断をする能力という意味)のスペルを逆さまから読んで「Esnes Nommoc」、つまり常識とか、既存の周囲の考えに縛られないような活動をしようと決意したから、とのこと(写真:エスネス・ノモックさんのTwitterより)

社会人になると、学生時代にアルバイトをしていた福祉関連施設での経験を活かしたいという思いや、「ヨーロッパへの憧れもあって」欧州系の大手外資製薬会社に就職。故郷・神奈川を初めて離れ、医療情報を医師らと共有することで薬を広げるMR(医薬の情報担当者)の仕事に就くものの、業務が深夜まで及ぶこともしばしばだったという職場環境などから体調が悪化

「すっかり心が参ってしまって、会社は退職してしまったんです。MRの仕事が、大変な割に、“学術的な伝統を守る”ことが中心で、“自ら作る”ことが少なかったことも、“何かを作る”ことが得意だった自分には辛いものでした。もうそれはすっかり“うつ”の症状で、赴任先から実家に戻り、ここから自分探しが始まったんです」。

仕事を辞めてから、音楽、イラスト、デザイン、パソコンのプログラミングまで、それまでやったことがなかったありとあらゆることにトライしてみたというエスネスさん。

「製薬会社で深く病院ともかかわったため、トラウマとでもいいましょうか、病院に通うよりも、“自らで何かをすることで心を治療しよう”と取り組んだんです。元々、何かを作ることが好きだったので、いずれ何か芽が出るだろうとは漠然と思っていました。自分でどうにかしようと思えたんです。今となってはそれが良かったのだと思います」と、作家となる前の今につながる“原点”となった、辛さの中にも明るさを見出していた時期について告白します。

Amazonデジタル絵本ランキングで1位に、優しさに満ちた作品が好評

エスネス・ノモックさんの才能がまず大きく花開いたのが、デジタル絵本の世界での活躍。2013年から制作に取りかかり、2014年に発表した「おもちゃやのロボット〜さいごのプレゼント〜」「ドラゴンとスイーツパーティ〜サプライズ〜」の2作品は、世界最大手の通販売サイト・アマゾン(Amazon)の電子書籍キンドル(Kindle)絵本ランキングでそれぞれ第1位に輝きます

エスネスさんの絵本「おもちゃやのロボット」(リンクはYouTubeのPV動画)、「ドラゴンとスイーツパーティ」は、Amazon絵本ランキングで1位を受賞。優しさに満ちた作風が子どもたちにも人気(写真:Amazonサイトより)

エスネスさんの絵本「おもちゃやのロボット」(リンクはYouTubeのPV動画)、「ドラゴンとスイーツパーティ」は、Amazon絵本ランキングで1位を受賞。優しさに満ちた作風が子どもたちにも人気(写真:Amazonサイトより)

読者からの書評や絵本の感想に多く並ぶ言葉は「優しさ」。「ちょうど電子書籍がブームになった時期で、勢いもあったのでしょうが、多く子どもたちにも読んでいただき、とても大きなステップとなりました」と、会社を辞め、心の病気を患い辛かった時期もあったからこその視点が、多くの読者に受け入れられているのでは、とそのブレイクの背景を分析します。

そして「優しさがあるもの」こそが自分なんだ、と改めて気が付いたエスネスさん。

絵本やオリジナルLINEスタンプなどのイラストの世界から、今度は「気になっていた」というブローチやネックレス、イヤリングやピアスなどのハンドメイド・アクセサリーの世界へと飛び込みます。

今や全国各地で“物語をつれていく”人気アクセサリー作家に

アクセサリー製作を始めたのが2015年の夏頃。それまでも、インターネットのSNS(ソーシャルネット)サービスのツイッター(Twitter)インスタグラム(Instagram)で、ファンからの“激励”や“悩み相談”などのメッセージがあると、「極力、メッセージを返しています」というエスネスさん。

そんなエスネスさんの「優しさ」におそらく魅かれていただろう多くのファンの方々が「(アクセサリーを始めても、自分の作品のファンとして)ついてきてくれたんです」。

フロラシオンのディスプレイをアレンジするエスネスさん。アクセサリーの素材は木やウォルナット、アクリルなど。東京の工房で作成している

フロラシオンのディスプレイをアレンジするエスネスさん。アクセサリーの素材は木やウォルナット、アクリルなど。東京の工房で作成している

学生時代、テニスのクラブチームを作った頃から「周囲の仲間たちをより大切にしてきた」というエスネスさんらしく、クリエイティブな仕事をスタートしてから大切にしてきたというファン一人ひとりの力が、エスネスさんの新しい“アクセサリー”事業をより大きな世界へと誘うきっかけになったのです。

元々絵本作家からスタートしたエスネスさんが作るアクセサリーは、「物語をつれていく」がコンセプト。

オリジナルのブランド「Tears & Balloon.(ティアーズ アンド バルーン)」「Tokyo HandMade JEWELRY(東京ハンドメイドジュエリー)」を日本全国の一流デパート・ショッピングモールや、ハンドメイドの大型イベントでも販売するようになり、特に期間限定の催事では大きな人気を博しているといいます。

「劇場風」にアレンジしたアクセサリー・ボックスも売り切れ続出とのこと。エスネスさん手作りのアメリカン・ピアスが優しく揺れ、毎日の部屋を彩る

「劇場風」にアレンジしたアクセサリー・ボックスも売り切れ続出とのこと。エスネスさん手作りのアメリカン・ピアスが優しく揺れ、毎日の部屋を彩る

“ハンドメイド”ゆえの売り切れも続出。「東京、名古屋、大阪、京都から九州、そしていよいよ夢だった北海道や初の海外・香港でも出展することができそうです。これもファンの皆さんが応援してくれているからなのだと思います」と、SNSで多くつながるエスネスさんのファンとの“絆”を感じていると、その感謝の気持ちを語ります。

“辛かった頃”の経験を経て、クリエイターとしての創作活動の他に、知的・精神にハンディを持つ方々の支援等も行っているというエスネスさん。

「相談を受けた時は、強制やアドバイスといったものではない“こういう選択肢もあるかも”といったメッセージを送っています。自ら“様々なこと”にトライしてみて今の道を選択したこともあり、何か、とにかく“やってみる”ことで、ゆっくりでも前進できたり、自分のように多くの人に応援していただけることもある。“夢”や“希望”持ってもらえたら、ということを、作品や日々の活動を通じて、多くの方に感じていただけたらと思うのです」。

偶然の“作家”つながりから「星空の世界」をディスプレイするまで

そんなエスネスさんとフロラシオン代表佐藤美央(さとうよしみ)さんとの出会いは、エスネスさんが昨年(2016年)11月に栃木県内で開催されたイベントに初出展したことからはじまります。

全国のデパートや催事でも好評を博すエスネスさんの作品はフロラシオンで購入可能(フロラシオン提供)

全国のデパートや催事でも好評を博すエスネスさんの作品はフロラシオンで購入可能(フロラシオン提供)

同じイベントに出展していたアクセサリー作家で栃木県在住のshino(シノ)さんから、「日吉にこんな素敵な店があるよ」と紹介され、翌12月にフロラシオンを初訪問。

エスネスさんの作品の質の高さに驚いたという佐藤さん。「世界観の優しさ作品の細やかさ、さらには作品の厚みがあることもディスプレイをお願いしたきっかけです」と、佐藤さんはエスネスさんの作品の魅力を初対面で感じたといいます。

さらに、「色々な質問にも長時間、惜しみなくアドバイスをしてくれたことも“信頼感”を抱くきっかけとなりました。中には“出し惜しみ”する方、特に芸術家には多いと思うのですが、エスネスさんはそうではなかったので、その姿勢に大変好感を持てたんです」。

さらに、これまでのフロラシオンは全て「女性ばかり」だったこともあり、「女性目線だけでなく“男性的”な客観的な目線」が必要だと数ヶ月前くらいから偶然思っていたこともあり、「“店舗ディスプレイをお願いしたい”とその場でお願いしました」と、エスネスさんとの出会いにより、今回の企画に向けた想いが偶然に、そしてさらに大きく結実した経緯を熱く語ります。

エスネスさんとの“縁結び”をしたshinoさんら常設展示している作家7名のうち4名が新作を発表。佐藤さんの「眼」により選りすぐった商品がどのように展開されるのか。「ぜひお立ち寄りください」と佐藤さん(フロラシオン提供)

エスネスさんとの“縁結び”をしたshinoさんら常設展示している作家7名のうち4名が新作を発表。佐藤さんの「眼」により選りすぐった商品がどのように展開されるのか。「ぜひお立ち寄りください」と佐藤さん(フロラシオン提供)

沢山(たくさん)の星が織り重なって、私たちの人生は構成されている。そして、floracion(フロラシオン)というお店もまたたくさんの星(人)のstoryや想いが織り重なってできている」と、ブログに綴る佐藤さん。

エスネスさんと佐藤さんが二人で手掛けたディスプレイ、そしてその一つひとつの、一人ひとりの「人生」を星空に見立て、その想いを多く日吉周辺の皆さんと共有したいと、ハンドメイド作家たちの企画展示会への来訪を、佐藤さんは呼び掛けています。

ファッションレンタルサロン「floracion(フロラシオン)」は、日吉駅から徒歩4分。11時30分から17時まで営業。定休日は月・火曜日。今回の特別展示・販売は今月末(2月26日が今月の最終営業日)まで。

※店舗・サービスの紹介は、下記の「参考リンク」をご参照ください。

【関連記事】

“自分で持たず”に服をレンタル!5月オープンの「フロラシオン」は頼れるおしゃれの相談相手(2016年9月22日)

【参考リンク】

ファッションレンタルサロンfloracionホームページ

2/4~ハンドメイドアクセサリー新作展示&発表会(floracionブログ)

ギャラリー「TEARS & BALLOON.」(Esnes Nommocプロフィール)

エスネス・ノモック:作品一覧・著者略歴(Amazon.co.jp)

「宙(sora)に星を織る」ディスプレイに込めた想い(Creative Light~可愛いと心地よいを両立させた暮らし~)

(提供:ファッションレンタルサロン フロラシオン)


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