<箕輪町計画>横浜市の審議会、高層マンションの圧迫感減らす工夫を再度求める | 横浜日吉新聞

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後世に残るような街の景観を――。横浜市内のまちづくり計画を景観面から審査する市の「都市美対策審議会」内の景観審査部会(部会長・関和明関東学院大学教授)が昨日(2016年12月)26日に中区で開かれ、野村不動産が計画する「日吉箕輪町計画(仮称)」(箕輪町2丁目の旧アピタ日吉店など跡地再開発)について、建物から受ける圧迫感を緩和するため「さらにデザインを工夫すべきだ」との声が複数の委員から上がりました。

綱島街道の日吉側から見た計画地の景観予想図、当初より建物の色合いが変化している(景観審査部会への提出資料より)

綱島街道の日吉側から見た計画地の景観予想図、当初の予想図と比べ建物の色合いが変化している(景観審査部会への提出資料より)

同部会は建築や都市計画、都市デザインを専門とする大学教授らを中心に7氏で構成。今年5月26日から3回にわたって日吉箕輪町計画を議題としており、「高層住宅の印象のかたさと圧迫感を強く感じる」「非常に均質化して昔の団地化していく」「周り(箕輪町周辺の低層住宅)との隔絶した感じを解消する方法はないか」などの意見を出していました。

これを受け、野村不動産と景観デザインを担当する日建ハウジングシステムは、建物の棟や方角ごとに色彩パターンを変えて変化を付けるとともに、中核となる広場に賑わいを創出する考えから、1階部分に小規模店やギャラリーなどとして活用できるスペースを付加した「接地型住宅」を新たに提案。また、一部の駐車場を縮小して広場を創り出す計画変更案も示しました。

駐車場を縮小し、新たなにぎわい創出案を提示するなど新たな案が示された(景観審査部会への提出資料より)

駐車場を縮小し、新たなにぎわい創出案を提示するなど新たな計画案が示された(景観審査部会への提出資料より)

委員からは駐車場が小さくなったことを評価する声はあったものの、全体的なデザインに対しては「街をつくろうというより(建物が)一つの塊(かたまり)になっている感じがする。パターンを変えるくらいではだめだ。(これまでの)工夫の成果が出ていない」「違和感があり、品良くまとまっていない」「高層棟(マンション)と低層棟(商業施設など)の落差がある。この土地に建てる建物としてはオーバーフロー(土地からあふれている)なのではないか」などと厳しい意見が続出。

高さ最高60メートル・20階建ての建物を3棟建てる計画に対しては、「デベロッパー(開発業者)として、経済的な部分が優先されているのではないか。後世に残る街並みを」との声も上がり、「(景観デザイン面で)もう一歩踏み込んだ工夫をしてほしい」と野村不動産側に求めていました。

新小学校(現野村総研データセンター)側から見た計画地の景観予想図、白い部分が校舎(景観審査部会への提出資料より)

新小学校(現野村総研データセンター)側から見た計画地の景観予想図、白い部分が校舎(景観審査部会への提出資料より)

一方、日吉寄りの綱島街道沿いに設けられる低層の商業施設棟に関しては、「周辺住民にとっても大切なエリアで、にぎわいが創出できるので力を入れてほしい。(まさか)大手コンビニを(テナントに)入れると考えているのではないでしょうね」といった質問も飛び出しました。

野村不動産側は「生鮮食品を取り扱うなど、暮らしに直結するようなテナントを考えている」といい、来年(2017年)9月にも近隣に「アピタ横浜綱島店(仮称)」(綱島東4、綱島SST内)がオープンする予定であることから、同店にどのようなテナントが入るかの動向も踏まえ、店舗を検討していく考えを示しました。

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【参考リンク】

横浜市都市美対策審議会のページ(横浜市都市整備局、後に議事録が公開される)


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