バンズ(パン)、ソース、ベーコンまで手作り!究極のこだわりバーガー店が日吉に――先月2016年9月23日に、日吉駅近くのサンロード(西口近く)にオープンしたハンバーガー店「メイドインハンズ(Made in hands)」の“こだわり”ハンバーガーの味が、早くも口コミで広がっています。
メイドインハンズ代表の阿部和彦さんは、茨城県日立市出身。同じ茨城県内でも少し離れた筑波大学(つくば市)に進学。初めて一人暮らしをし、初めて自炊をしたといいます。下宿に仲間たちを招いて料理をふるまっているうちに「料理を作るのが好きなんだ。料理って、おもしろい」と感じ、「10年後には飲食店を経営しよう」と決意。学生時代のアルバイトも数々の飲食の現場を選び、「大手老舗ホテルのフレンチレストランでの経験も、今にとても活きています」と、当時を懐かしく振り返ります。
大学院、外資系有名コンサル企業を経て“ハンバーガー店”を開くまで
筑波大学で工学系の学部に在籍していた阿部さんは、“理系人らしく”と、大学院にそのまま進学。修士課程をおさめたものの、「飲食店を経営する」という夢を胸に描いたまま、企業経営を学ぶこともできる、世界的規模のコンサルティング会社として有名なアクセンチュア(東京都港区)に就職。大手鉄道会社や有名衣料メーカーを担当するなど、充実した日々を送りますが、「いよいよ夢だった10年後が近づいてきた」と退職するに至ります。
「アクセンチュアは外資系ということもあり、“自由な人”が多かったんです。自身、必ず夢を実現させたいと、ここで資金も得られ、今につながる多くの同僚や仲間たちも得ることができて、とても大きな人生の財産となっています」と、このITコンサル会社での経験を語ります。
様々な料理が得意だった阿部さんが、何故、ハンバーガー店と決めたのか。大手ホテルの老舗レストランで働いた時も「フレンチは下ごしらえが大変。とても一人では経営できない」と、何か専門的な店での飲食店の開業をと気付かされます。
今から5年ほど前に、たまたま通りかかった東京・渋谷の「クアアイナ」(ハワイ発のバーガー店)に入店。比較的大衆的な価格の大手有名ハンバーガーチェーンとは全く異なる“奥行きのある味”に愕然(がくぜん)としたといいます。
「ハンバーガーが、こんなに美味しいものだったとは」と。
ニューヨーカーの有名”ハンバーガー店で修業。“全て学べた”偶然に感謝

東京・神楽坂の人気ハンバーガー店「マティーニバーガー」でもシェフとしての修業を積んだ阿部さん。この“Teriyaki”(てりやき)バーガー(チェダーチーズトッピングで合計1,200円・税込)の味にも、当時の経験が活きている
ITコンサル会社を退職した2ヶ月後から、これも偶然が重なり、生粋(きっすい)のニューヨーカー(アメリカ人)オーナーが経営するバーガー店として人気を誇る「マティーニバーガー」(東京・神楽坂)での約1年間の修業を行いましたと阿部さん。
「独立前提で、雇っていただけました。仕込から発注、在庫管理まで、これも様々な現場での経験を積むことができたんです」。
昨年2015年11月、当時住んでいた東京・練馬から、結婚を機に綱島へ引っ越してきた阿部さんは、「東横線のイメージに合うお店」をと物件を探し、ここ日吉駅から徒歩1分程度のサンロードにその場を最終決定します。
「本当は、井田病院近くなども候補地でした。結果的に、このサンロードでお店を開くことができて、駅にも近くとても良かったです」と、日吉駅(西口)から徒歩1分、わずか90数メートルという交通至便な場所ということもあり、多くの友人らも遠方から激励に訪れてきてくれるといいます。
初めての“自分の店”、初めての“日吉の街”での阿部さんの「挑戦」とは
先月9月9日にプレオープン、9月23日に正オープンしたという「メイドインハンズ」のコンセプトは、「前職(マティーニバーガー)のイメージにもつながるアメリカ風と、イギリスのパブ風との、中間的なもの。どちらかというと、日吉の街のイメージにも近い、伝統を重んじた、歴史を感じられるような重厚な店舗デザイン、ということでイギリス風、になりますでしょうか」と、お酒を飲むのにもぴったりな雰囲気に仕上げています。
お店の特色は、なんといっても“全てが手作りの味”。バンズ(ハンバーグ用のパン)やソースも“こだわり”の逸品に仕上がっているといいますが、特に人気なのが「6年前くらいから趣味としても極めてきた“燻製(くんせい)”を作るスキルを活かした“手作りベーコン”です」と、燻(いぶ)したばかりのベーコンを手に取る阿部さん。
桜や、くるみのチップを利用して時間をかけて作ったものを燻しているといい、「香りが全くしない、燻していない大量生産のベーコンとは、全く異なる、自然のチップの香りがついた、とても香ばしい味にも仕上がっていて、ベーコンのトッピングは大変な人気があります」と、バーガーを引き立てる「自然の香り」の重要性について説明します。
約10日間もの長い時間をかけて作るベーコンの他、チーズの燻製にも挑戦。さらに、ハンバーガーだけでなく、得意だという「ケーキ」(今回はブリティッシュチーズケーキ)も置いています、と、今、日吉地区に多いとは言えない「女性やファミリー、カップルでも楽しめるお店」を目指しているという阿部さん。
“究極のハンバーガー”の味の秘密は、なんといっても「めちゃくちゃ甘い“デーツ”(なつめやし)と、めちゃくちゃすっぱい“タマリンド”(まめ)をベースにしている」という、かつて中東・UAE(アラブ首長国連邦)を旅した際に出会ったスペアリブのソースの味に近付けた、阿部さんオリジナルの“スペシャル”なソースです、とのこと。
「奥行きがある味わいに仕上がりました。ぜひ、このとっておきの味に出会いに、お越しいただけたなら」と、このソースこそが、“究極のハンバーグ”を支えていると、その味の秘密を“こっそり”披露します。
「手作りを極める」ギャラリーも、日吉の“アート芸術”拠点を目指す
今回の創業・初出店にあたり、クラウドファンディング(インターネット経由で資金などを募ること)を利用し、40人もの方々から資金を集めたという阿部さん。
「僕自身、実は、料理のほかにレザークラフト(皮革工芸=ひかくこうげい)が趣味なのですが、そういった作家さんたちによる作品の数々を展示して、販売できる“レンタルギャラリー”にもしたい、とこの店の開店資金を募ったら、目標を上回る金額をご協力いただけました。御礼に、無料のドリンク券を配るだけでなく、オリジナルコースターに名前を入れたり、店内の椅子に名前を入れたりすることで、多く皆さんと“分かち合える想い”を育てていけたらと思っています」と、飲食店を超える「アート(芸術)の場」としての役割の場、交流の拠点の場をも目指したいという阿部さんの更なる夢は?
「初めて自分で持ったお店を、まずは多くの方々に知っていただき、ぜひ、一人でも多くの皆さんに足を運んでもらえたら」と、これまでの半生を込めて“極めてきた”調理人、そして料理のプロとしての誇らしい表情を見せてくれた阿部さん。
「サイドメニューも今月中には新設したい」と、新たなチャレンジへの意気込みを語る阿部さんが、初めての“日吉の街”で奏でる「こだわりハンバーガー」の世界。その更なる“日々の進化”に、日々、大きな注目が集まっています。
<営業案内>11時30分~15時、17時30分~22時営業(ラストオーダーは閉店の30分前まで)、月曜休み。月曜が祝日の場合は月曜営業、翌火曜休、不定休あり ※閉店時間が早まることがあります
【2016年10月9日追記】

かなり多くの皆さんにこの記事をお読みいただいています。掲載以降、大反響を呼びまして、売切れが続出しているようです。明日10月10日(月・祝)もお休みとなるようです。営業についての詳細は、直接店舗にお問い合わせください
【2016年12月14日追記】

メイドインハンズがFM横浜に初登場!街角レポーターの藤田優一さんがこの日来訪、生中継されました(藤田さんのツイッターによる当日のレポートはこちら)
【2017年2月20日追記】

今度はケーブルテレビ・イッツコム「地モトTV おかえり!」でテレビ初登場!約5分間、阿部さんが手作りするハンバーガーの開店エピソードやそのこだわりの味の背景を紹介。同番組サイトにも掲載されています(2月3日撮影)
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・“世界を旅する”季節のメニューも、日吉の「究極バーガー」がこだわり支持され1周年(2017年10月19日)
・日吉で生まれた伝説のタウン誌「とうよこ沿線」、36年続いた編集室を閉鎖へ(2016年3月19日)※跡地にて新規開店
【参考リンク】
・メイドインハンズ~made-in-handsホームページ(クラフトアートについて)※利用案内
・メイドインハンズ~made-in-handsホームページ(営業案内・地図)
・メイドインハンズ(made_in_hands_bgr)Instagram