約2年半後の2019年4月の完成(※)を目指し工事が進む「相鉄・東急直通線」(日吉~新綱島~新横浜~羽沢~相鉄線方面、10キロメートル)ですが、その大半が“地下鉄”として建設されるため、今はどの段階まで工事が進んでいるのかが分かりづらい部分があります。このほど(2016年8月10日)日吉や綱島などの工事状況が鉄道・運輸機構(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)のホームページで公開されました。
相鉄直通線のなかで、もっとも難度が高いと言われているのが、日吉駅周辺の工事です。東横線の線路に影響を与えないように、現在は日吉止まりとなっている目黒線の線路を地下に伸ばしていく必要があるためです。
東横線の上下線それぞれの線路を左右に移動させ、そうして空けた真ん中のスペースに相鉄直通線の線路を通し、地下へと潜らせる計画となっています。
このほどの発表では、東横線が走るための新設高架橋の構築が一部完了したのことで、線路を敷設する段階にあるとのことです。すでに東横線の車窓からも新しい高架橋と線路が見えるようになっています。
今後も引き続き、新設高架橋を構築するとともに、日吉駅の東横線ホームを渋谷寄りへ約40メートル移動させることも予定しているとのことです。
なお、工事が進むことにともなって、箕輪町1丁目の「読売新聞販売店」脇の高架橋をくぐる道路は最終的に封鎖される予定です。一方、箕輪町1丁目から日吉本町1丁目にかけては、コーエーの「ジェミニビル」脇を抜ける歩行者用の通路が設けられる計画もあります。
日吉駅から新綱島駅間については、多くがトンネル区間(「綱島トンネル」)となります。本格的な掘削(くっさく)工事はまだ始まっていないとみられ、今回は発表がありませんでした。なお、掘削時には、箕輪町2丁目の「すし銚子丸」近くの東横線高架下付近にトンネルを掘る「シールドマシン」の基地が設けられる予定です。
新綱島駅の工事は、最大約35メートルの地下深くにホームなどの駅スペースを確保するため、現在は地中に鋼鉄製の壁を作っているところだといいます。
この壁を築いた後、地上から土を掘って地下に駅スペースを作る計画です。現時点では、掘削作業は行われていないため、工事はまだ初期段階といえそうです。
(※)2016年8月追記:「相鉄・東急直通線」については、事業主の鉄道建設・運輸機構がこれまで示していた「2019年4月の開通予定」を「2022年度下期(10月以降)に開通」と3年半ほど延期すると2016年8月26日に公式発表しました。相鉄・東急直通線に関する最新の記事はこちらをご覧ください。
【関連記事】
・新綱島駅から箕輪町3丁目への「綱島トンネル」、地下20メートルを掘り進む(2016年2月22日)
・<相鉄・東急直通の鉄道新線>日吉・綱島住民なら知っておきたい3つの焦点と展望(2015年5月15日)
・<相鉄・東急直通線>地下30メートルの新横浜駅、環状2号線で掘削工事が進展中(新横浜駅の状況、2016年8月19日しんよこ新聞)
・相鉄直通工事で日吉駅ホームを渋谷側へ移動、7月から東横と目黒線の乗り換えに注意(2016年6月7日)
【参考リンク】
・日吉駅付近工事の進捗状況(鉄道・運輸機構)
・綱島トンネル(箕輪町3~新綱島駅)工事の進捗状況(鉄道・運輸機構)
・新綱島駅工事の進捗状況(鉄道・運輸機構)
・新綱島駅はどう作られるか(鉄道・運輸機構による工事順序の紹介)※現在は図にある(1)もしくは(2)の段階とみられる