<綱島駅東口>駅前にタワマン構想が浮上、新綱島と合わせ「ツインビル化」か

横浜日吉新聞
綱島駅東口(旧駅前商店街ビル側)の目の前に高層ビル建設構想が持ち上がっている

綱島駅東口(旧駅ビル側)の目の前に高層ビル建設構想が持ち上がっている

綱島駅東口の目の前に高さ100メートル程度のマンションと商業施設を合わせた「高層複合ビル」の建設構想が存在していることがわかりました。同地再開発の基本計画を作成する委託業者公募時の仕様書で明らかになったものです。

綱島駅の東口周辺では、すでに綱島街道をはさんだ先の地下に設けられる新綱島駅(仮称)の上部に高さ約100メートル28階建ての複合ビル建設が決まっており、東口駅前から新綱島駅にかけての一帯に2棟の“高層ツインタワー”が誕生する可能性も出てきました。

横浜市住宅供給公社が委託事業者を公募している綱島駅東口駅前地区再開発事業における基本計画作成業務

横浜市住宅供給公社が委託事業者を公募している綱島駅東口駅前地区再開発事業における基本計画作成業務

現在、綱島駅の東口には低いビルや住宅が密集しており、具体的な再開発計画は決まっていない状態です。このなかで、旧「綱島駅ビル」の真正面に位置する鶴見川寄りの一角では、今年(2016)年4月に地権者らによる「綱島駅東口駅前地区第一種市街地再開発準備組合」が発足。同組合は、再開発実施に向けたアドバイザーとして横浜市住宅供給公社と契約しています。

横浜市住宅供給公社は、「東口駅前」における今後の具体的な都市計画の実現に向け、6月20日に「施設建築物の基本計画」の作成を担う委託業者の公募を始めました。

現在、臨港バスの乗場などに接している市道(バスの左側)は廃止し、高層ビルの建設用地とする構想

現在、臨港バスの乗場などに接している市道(バスの左側)は廃止し、高層ビルの建設用地とする構想

この際に示された仕様書には、次のような内容が示されています。

  • 施工区域の面積は約6000平方メートルで、このうち敷地面積は3600平方メートル
  • 土地利用計画については、市道綱島第87号(川崎鶴見臨港バス乗場や2軒のパチンコ店などが位置する道路)は廃道とし、全体を一敷地として「施設建築物」を計画する
  • また、土地利用計画は現在、都市計画手続き中の「綱島東一丁目地区地区計画」において「綱島街道を安全に横断できる立体横断施設の整備を推進する」とされているため、これを踏まえて検討する
  • 敷地の概要は「建ぺい率70%」「容積率700%」(いずれも高度利用地区適用)、許容高さ制限「100メートル以下」(なお、これらはすべて予定であり、行政などと協議をしていく上での想定レベルであって未決定)
  • 建築物の概要は次の通り
    (1)共同住宅(分譲/権利者取得住宅)
    (2)商業施設(権利者取得店舗含む)
    (3)駐車・駐輪場(住宅用)
    (4)駐車・駐輪場(商業施設用)
東口駅前(黄色の枠内など)の再開発が具体化しておらず、現時点では新駅とのアクセス通路の形態は決まっていない(横浜市が説明会で公開したスライド資料より)

今回の構想が持ち上がっているのは黄色の線で囲まれたエリア、今年4月に「綱島駅東口駅前地区第一種市街地再開発準備組合」が発足している。青色のエリアは28階建てタワーマンションなどが建てられる(横浜市が2016年2月の説明会で公開したスライド資料より)

以上、公開された仕様書だけでは、東口駅前に何が建つのかの具体的なイメージはつきづらいものの、注目すべきは、建物の許容高さ制限が「100メートル以下」と想定されている点です。横浜市から正式に認められてはいませんが、構想の基準では最大で高さ99.9メートルまでの建物を建てることが可能となります。

「新綱島」の“28階建てタワーマンション”の高さは99.8メートル。東口駅前で想定している建ぺい率70%と容積率700%も新綱島とまったく同じです。建築敷地面積は新綱島が3900平方メートルで、東口駅前は3600平方メートル。東口側が若干狭い想定ですが、ほぼ似た規模といえます。

今回の公募で事前審査を通過した事業者には「基本構想時点での参考計画案」を配布するといいます。この「基本構想案」は公開されていないため、詳細な内容は分かりませんが、基本構想案に関する“注意事項”が公開されており、ここからぼんやりと構想案の姿が見えてきます。

これによると、

  • 基本構想案では、住宅用駐車場出入口と店舗他用駐車場出入口を共用した案としていますが、駐車場法・大規模店舗立地法・交通管理者他との協議により、出入口位置を分離する指導を受ける場合があります。
  • 基本構想案では、建物高さ約75mにて基準容積を満足していますが、事業採算性の確保の観点から、商品性に劣る北向き住戸を無くし、商品性の高い住戸床面積の最大化を念頭に、最大限の高さ(最高限100m)で容積を最大限まで消化する計画案を検討することを基本計画案作成の基本方針とします。
横浜市住宅供給公社が公開した

横浜市住宅供給公社が公開した基本計画作成業務の要項(一部分、同公社のホームページより)

以上、上記の2つの“注意事項”で注目されるのは、「大規模店舗立地法」に言及している点と、「商品性の高い住戸床面積の最大化を念頭に、最大限の高さ(最高限100m)で容積を最大限まで消化する計画案」を基本方針としている点です。

大規模店舗立地法は、大型スーパーなど1000平方メートル以上の小売業(飲食店業を除く)に適用される法律です。そのため、大型小売業が入居する構想案であることも考えられます。

また、「商品性の高い住戸床面積の最大化」の記載は、建物をマンションとして活用することを想定しているとみられます。「最大限の高さ(最高限100m)で容積を最大限まで消化」すると示していることから、新綱島と同規模の28階建て程度の高層マンション構想案であるとの見方ができます。面積の広い下層階を大型商業施設とし、上部をタワー型のマンションにする可能性もあります

2015年7月に横浜市が発表した資料には高層タワーを想起させるイラストが掲載されている(市が公開した資料上に、赤い●部分は本紙で説明を追加した)

2015年7月に横浜市が発表した資料には高層タワーを想起させるイラストが掲載されている。市が公開した資料上に、赤い部分は本紙で説明を追加した。新綱島駅側の28階建てタワーマンションと区民ホール以外のビル計画は今のところ詳細不明

昨年(2015年)7月に横浜市が発表した資料にも、そうした計画の片りんが見えます。「将来のまちづくりの方向性」と題し立体的なイラストを用いて、再開発の方向性を示した部分では、東口駅前にも新綱島と同様の高層タワーを想起させるイラストがうっすら描かれており、大綱橋側から見ると、高層タワーが2棟並ぶような形です。

今回示された要項には、2017年度中に都市計画決定と基本計画を行い、2020年度に着工し、完成は2022年度というスケジュールも示されています。計画が実現するのは、新綱島駅(2019年4月開業予定)が誕生してしばらく経ってからのことになりそうです。

なお、現時点では、高さ制限なども含めて行政が正式に決定した項目は何もないため、計画が大幅に変更される可能性もあります。

【関連記事】

<新綱島駅周辺の再開発>説明会に住民200名超、横浜市側への質問も続々(2016年2月17日、綱島駅東口の計画についても)

日吉と綱島の風景が一変する5つの巨大再開発、2016年5月の最新動向をまとめました(2016年5月22日、5つ目に綱島駅東口の計画について掲載)

綱島東口“ほぼ駅前”に7階建て42戸の分譲マンション、東急不動産が計画(2016年4月8日、バスターミナル側の再開発区域近接地に計画)

【参考リンク】

[入札情報]綱島駅東口駅前地区再開発事業 施設建築物基本計画作成業務 委託業者の募集について(2016/6/20、横浜市住宅供給公社)


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