綱島エリアの鶴見川、新たな架橋を逃したのは「住民要望」の有無も影響か | 横浜日吉新聞

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綱島周辺の鶴見川における架橋状況(横浜市の資料より)

綱島周辺の鶴見川における架橋状況。赤い丸印の区間が今回「架橋の必要性が高い」と認められた(横浜市の資料より)

鶴見川に新たな橋ができなかったのは、住民の架橋に対する熱意が足りなかったのでしょうか。横浜市は2016年5月13日に鶴見川中流・下流での架橋に関する決定過程の詳細を公開しました。それによると、有力とされてきた「大綱橋」(綱島東1~樽町2)と「新羽橋」(大倉山6~新羽町)間(2.1キロ間隔)に加え、綱島地区内となる大綱橋と「樽綱橋」(綱島東6~樽町3)の間(1.1キロ間隔)についても架橋を検討していたことがわかりました。

今回の新たな架橋検討では、新羽橋から「新横浜大橋」(港北区小机町~北新横浜2)の間(2.2キロ間隔)に自動車用の架橋の必要性が高いとされ、「末吉橋」(川崎市幸区小倉5~鶴見区上末吉5)から「新鶴見橋」(鶴見区元宮2~同下末吉2)からの間は、歩行者用の橋について必要性が高いと結論付けられています。

綱島に関係する2地区を含め鶴見川17箇所を候補として架橋必要性の健闘が行われた(横浜市の資料より)

綱島に関係する2地区を含め鶴見川17箇所を候補として架橋必要性の健闘が行われた(横浜市の資料より)

必要性の検討に際しては、自動車交通の混雑度や都市計画道路の整備状況に加え、橋梁間隔が1キロ以上あるかどうかや、各橋間についての課題などを検討。17箇所から6箇所に絞り、この時点では綱島にエリアが関係する3橋間2箇所も残っていました。

しかし、最終的には「横浜市都市計画マスタープラン(港北区版)」との整合性や、2016年度中に開通が予定されている新たな高速道路「横浜環状北線」の新横浜出入口へのアクセス面向上という指標が登場。さらに「地域からの要望書」という選考項目も設けられ、6箇所のうち5箇所が該当しなかったことから、新羽橋と新横浜大橋の間が架橋の必要性が高い区間として抽出した、としています。

高速道路出入口へのアクセス向上という面では、綱島地区は太刀打ちができませんが、住民からの要望書についても“評価ポイント”としていることは、公共インフラの要望を行ううえで今後の参考になりそうです。

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鶴見川に新たな架橋検討、綱島上町や新吉田周辺など間隔が広い4カ所を調査へ(2016年2月15日)

【参考リンク】

鶴見川中下流域の適正な橋梁間隔に関する検討結果を報告します(2016年5月13日公開、横浜市道路局)


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