日吉街あるきで旅行気分、港北オープンガーデンの「ルート案内ツアー」は土日が人気! | 横浜日吉新聞

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まずは日吉駅前、綱島街道沿いにある花壇「花ポケット」についての説明。最近たばこなどのポイ捨てが多く、ボランティアの担い手により花壇の整備やゴミ拾いが成されていることを説明

まずは日吉駅前、綱島街道沿いにある花壇「花ポケット」についての説明。最近たばこなどのポイ捨てが多く、ボランティアの担い手により花壇の整備やゴミ拾いが成されていることを説明

横浜市港北区全体で、花や緑のある街づくりを――2016年4月22日(金)から4月24日(日)まで、また5月13日(金)から15日(日)まで、港北区の全65会場で開催の第4回「港北オープンガーデン」。初日の昨日・4月22日は、特に午前中には穏やかな晴天に恵まれ、多くの見学者で会場が賑わいました。

特に、人気という日吉駅発の「ルート案内ツアー」。土日は申込者が早くから日吉駅の案内所にやってくるほどの盛況と聞き、平日の開催となった昨日4月22日(金)のイベント初日のツアーに潜入、その魅力を探りました。

※藤田(万里村れい)さん宅は4月のみの公開です(5月開催分は行程が異なります)※

まず日吉駅前の案内所にて受付。申込を厳密に、という受付スタイルではなく、三々五々集まり、最終的に10時に自然に集まる、という緩やかな雰囲気。

藤田(万里村れい)さん宅(リンク先は記事)では、万里村さんから幸い直接話を聞くことも出来、こういった「ふれあい」がこのオープンガーデンの魅力と感じる時間となった

藤田(万里村れい)さん宅(リンク先は記事)では、万里村さんから幸い直接話を聞くことも出来、こういった「ふれあい」がこのオープンガーデンの魅力と感じる時間となった

ガイドの方から簡単な自己紹介、日吉駅前の花壇「花ポケット」の説明があり、ツアーはいよいよスタート。まずは、日吉駅西口から放射線状に広がる商店街のうち、浜銀通りを進み、4月のみ公開だという日吉2の藤田(万里村れい)さんの庭へ。歌手の万里村れいさんが手掛けた「紫と白の小庭園」は、新たに牡丹も満開の華やかさを感じることができる庭園となっており、一行は日吉駅近くにここまで大きな庭園が、ここまで手入れをして存在していることに一様に驚いた様子でした。

日吉地区センターでの地域のボランティアグループ・ガーデニングクラブの花壇。同クラブは現在メンバー募集中との事

日吉地区センターでの地域のボランティアグループ・ガーデニングクラブの花壇。同クラブは現在メンバー募集中との事

次のスポットは日吉地区センター。同センターで活動しているガーデニングクラブが手入れをしている花壇で、「一年中花が楽しめる」ことをポイントとしているとの事。

地区センターの中を通り、次は下田町方面へ。「みんなのたから~松の川緑道」を10数分歩きます。元々「松の川」という川だったこの場所は、1992年に全てが埋められ、約2.1kmの「松の川緑道」として整備されたといいます。元々川だったということもあり、今でも所々に湧き水があり、一部この湧き水を利用した小川もみられます。川沿いにあった自然をそのまま残す、という方針で今も管理されているといい、自然の道の遊歩道、という風情の中で見られるたくさんの草花の数々に、ツアー参加者の目線もより自然体になっていくのが感じられました。

下田町1の「日吉山荘」でも鼠入(そいり)さんが幸いお出迎え。入居した時はかなり傷んでいた家をほぼ自力で改修、手造りの小物で個性あふれる楽しい庭を演出している様子を説明してくれました

下田町1の「日吉山荘」でも鼠入(そいり)さんが幸いお出迎え(リンクは最新記事)。入居した時はかなり傷んでいた家をほぼ自力で改修、手造りの小物で個性あふれる楽しい庭を演出している様子を説明してくれました

松の川緑道の横、慶應グランドを通過し、野球部グランドのすぐ先の階段を上がると、そこには「日吉山荘」と呼ばれる鼠入(そいり)さんの山荘風の建物と庭が。

「かつて建築の仕事をしていたので、荒れ果てていたこの家を、全て自分で図面を引き作ったんです」と鼠入さん。慶應野球部のグランドから心地よい風と打球音が流れてくるかのようなその山荘の庭園の眺めは、まさに「森の中」。樹齢80年というソメイヨシノの大木や、鼠入さん手作りというバーベキュー・コンロ、ピザの窯まで、あたかも「森の中」という景色に一つ一つの鼠入りさんならではのアレンジがフィットしています。

日吉の丘公園で見つけた「緑の桜」

日吉の丘公園で見つけた「緑の桜」

日吉にいるとは思えない、小さな旅行気分がさらに盛り上がった後、またさらに次の会場へ。ガイドマップにはない日吉台マンション(日吉本町2)前に植えられた花や紫陽花の株を眺め、赤門坂まで行き、また階段を上がった先の日吉の丘公園(箕輪町3)へ。

平日の昼間とあって、驚くほどの静けさに満ちたその公園の静寂と自然の佇(たたず)まいに、一同ほっ、とした様子になります。

ミドリ色の桜があるらしい」とガイドの方がつぶやき、「これかしら」と写真を撮影するなど、緑豊かな公園で、穏やかな時間を過ごします。

小泉さんのフローラ・メゾンと、グループホームきららの花壇。美しい西欧風の庭、目に鮮やかな花たちの姿に、一行の目も釘付けに

小泉さんのフローラ・メゾンと、グループホームきららの花壇。美しい西欧風の庭、目に鮮やかな花たちの姿に、一行の目も釘付けに

日吉の丘公園から箕輪町3丁目側に階段を下り、小泉さんのフローラ・メゾン、隣のグループホーム日吉きららの花壇を見学します。

グループホームきららでは、入居者と施設担当者が一緒に花の植替えや水遣りをしているとの事で、訪問した時も、花に囲まれたベンチで一休みしている入居者が、ツアーの一行を出迎えてくれました。

そして、このガイドツアーもいよいよクライマックス。みのわのぞみ保育園(旧箕輪保育園)横、藤の花が美しく咲き誇る個人宅の横を通り、今回の訪問地最後の「小泉さんの庭」(箕輪町3)へ。

長野県蓼科にある「バラクライングリッシュガーデン」で庭づくりを学んだという小泉さんの美しい花のアレンジにため息も

長野県蓼科にある「バラクライングリッシュガーデン」で庭づくりを学んだという小泉さんの美しい花のアレンジにため息も

小泉さん宅はイングリッシュ・ガーデン(イギリス式庭園)をモチーフにしているといい、長野県蓼科にある「バラクラ イングリッシュ ガーデン」にて庭についても学んだという小泉さんの庭作りに、一同魅了され、最後の「開かれた庭」での時間を過ごしました。

今回のツアーは、平日初日、大々的なPRを控えたこともあり、参加者6名、ガイドが2名という、贅沢な割合での案内を受けられたものの、「土日は定員が早く一杯になってしまうので、お早目にご来場ください」と担当者。

参加者が持参した万歩計は、小泉さんの庭の付近で、既に約8000歩を数えていました。アップダウンがややあり、履き慣れた靴、水分などの持参も必須、と感じられました。

土日は多数ツアーの希望者がいるため、早めに受付を(日吉駅前の案内所にて撮影)

土日は多数ツアーの希望者がいるため、早めに受付を(日吉駅前の案内所にて撮影)

公衆トイレも途中に見当たらず、日吉地区センターで唯一トイレを借りてみましたが、それが正解だったと感じました。

4月の回は、5月より見学ポイントが少ないため、ゆっくり1箇所あたりの時間を過ごしましたが、5月はさらにスピードアップしなくては、と、担当者もツアー進行の難しさも感じているようでした。

日吉駅発の港北区の街あるきツアー。歴史的建造物や史跡などのボランティアによる徒歩ツアーはよく話にも聞き、また街で遭遇することもありますが、こうして一定期間のイベント開催として、広く世代を越えて実施されるツアーは、この日吉では極めて稀で、また、街中に「オープンガーデン」の案内看板や、見学箇所での幟(のぼり)の旗なども雰囲気を盛り上げ、日吉があたかも「一大観光地」にでもなったかの印象がありました。

「花や緑のある街づくり」を市民レベルの交流から先々の観光戦略といった未来絵図にも盛り込むことができるのか。日吉や港北区のまちの活性化の方向性にこの「オープンガーデン」イベントが寄与していくのかに注目が集まる(箕輪3の小泉さん宅前にて撮影)

「花や緑のある街づくり」を市民レベルの交流から先々の観光戦略といった未来絵図にも盛り込むことができるのか。日吉や港北区のまちの活性化の方向性にこの「オープンガーデン」イベントが寄与していくのかに注目が集まる(箕輪3の小泉さん宅前にて撮影)

日頃、庭を作り、また手入れされる庭や花壇の提供者の皆さんのご努力があってこそのツアー。ぜひ、日々の街づくりの大切さ、楽しさ、街の賑わいの意味なども感じながら参加いただければ、またより深い「日吉理解の場」になるのかもしれません。

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慶大教授ゆかりの「日吉山荘」は新緑鮮やか、港北オープンガーデンは5/13(金)から最終章(2016年5月11日)

<港北オープンガーデン>4月は22日(金)から3日間、日吉・綱島・大倉山駅に案内所も(2016年4月18日)

<港北オープンガーデン>慶大時代にカレッジフォークで旋風、万里村さんが日吉の庭を公開(2016年4月10日)

【参考リンク】

港北オープンガーデン(横浜市港北区ホームページ)

第4回港北オープンガーデンについて(横浜市港北区ホームページ)

第4回港北オープンガーデンパンフレット(一括ダウンロード:[PDFファイル]


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