4月から始まる2016(平成28)年度中に日吉駅の東横線ホームにもホームドアを設ける計画があることがわかりました。港北区が発表した今年度の主な整備事業をまとめた資料で明らかになったものです。
東急電鉄では2020年を目標に全線の64駅で設置する計画を打ち出しており、区内では既に菊名駅の横浜方面ホームに設置され、大倉山駅でも5月に使用を開始する予定となっています。今年度は日吉に加え、菊名駅では未整備の渋谷方面ホームにも整備される計画です。
日吉駅では、目黒線ホーム(2・3番線)には既に設けられているものの、東横線が発着する(1・4番線=全長約200メートル超)にはホームドアはありません。国では1日の利用者が3000人を超える駅については設置を求める方針を示しており、1日あたり19万人超の利用客がいる日吉は十分にその対象となっています。
計画では2016年6月から工事を始め、来年の2月までには使用を開始するといい、設置費用は3億5000万円程度になるとみられます。

日吉駅の1番線(横浜方面)ホームでは残念ながら意図的に通過列車へ飛び込んだとみられる「人身事故」が幾度か発生しており、現在では一定の抑止力があるとされる青い照明や柵が設置されている(写真は2012年6月)
日吉駅は、日中時間帯の東横線特急電車(Fライナー)が高速で通過することもあり、意図的に飛び込んだとみられる人身事故が数年おきに発生しています。横浜方面ホームの渋谷寄りには、自殺抑止に効果があるとされる青い光を照らす照明が設置されているほどです。
ホームドアは、到着した電車のドアに合わせ、ホーム上にある1メートル以上の高さの扉が同時に開閉するため、乗客が線路へ転落する危険性を大幅に減らせることから、鉄道の安全対策の面から都市圏の鉄道駅では設置が進んでいます。また、地下鉄三田線や南北線のように、自動運転を行うためには必須とされています。
ただ、これを設置するには、十数トンの重量に耐えられるホームの強度が必要になるため、古い駅では補強工事を行わなければなりません。そのため、コストも上がり、工期も長期化することになります。日吉駅は比較的新しい駅だったため、補強の必要はないようですが、菊名駅では補強工事を行っていますし、今後設置が予定される綱島駅でも同様の対策が必要となってきそうです。
【関連リンク】
・平成28年度「港北区内で行われる主な整備事業」(PDF、「鉄道駅可動式ホーム柵整備事業」に記載あり)
・2020年を目標に東横線・田園都市線・大井町線の全64駅にホームドアを設置します(東急電鉄、2015年1月9日)