あえて日吉の人通りに面する場所に事務所を開設し続ける株式会社エー・エム・エーデザイン建築設計事務所(日吉本町1)で代表をつとめる建築家の朝倉元(はじめ)さんと美穂(みほ)さん。
普段の仕事内容と建築や設計への思いを綴る「日吉の建築家コラム」の第1回は、そもそも“設計事務所”とは一体どんな仕事をしているのかを解説してもらいました。
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私たちは日吉の中央通りと普通部通りを結ぶ通りに事務所を構えています。以前は綱島街道沿いの日吉消防署の斜め前の細長い建物に居ましたが、相鉄線乗り入れの影響で現在の場所に移ることになりました。予想外の出来事でしたが、現在の場所も以前と同じ一階で、入口に植物も置けてなかなか快適な環境で仕事をしています。
私達の設計事務所は建物(主に住宅)の設計を主な仕事としています。物を売っているわけではないので、事務所が路面である必要はありません。むしろ家賃は上階にあるより高くなるので経費もかさみます。それでもあえて路面にこだわる理由があります。
それは、「設計事務所」というものをもっと知ってもらいたいという思いがあるからです。日吉という場所は都内近郊でも人気の場所で住環境もよく、住みたいと思っている人は少なくないところです。そこに設計事務所という家づくりのサポートできる場所があればよりそんな人達の力になれるのではないかと考えているのです。
ただ、一般的に設計事務所に家づくりを相談するということはハードルが高いと思われがちです。そもそも設計事務所がどんな所なのかよく分からないので怖くて行けない。ということもあると思います。
が、怖くはありません。一度寄ってみてください。ついでにコーヒーでもいかがですか?という意味を込めて私達は路面に事務所を構えることで、ありのままの仕事ぶりを見てもらえればと思っています。
普段の仕事としては、土地探しの相談(たまに候補地に同行することも)、間取り(プラン)の作成、インテリアの提案、法的検討や役所との折衝、見積金額の調整、現場の監理・・・など、おおよそ家づくりに関することは何でもやっています。そこにテレビで見るようなかっこいい建築家像はありません。どちらかというと地味にパソコンと向かい合うことが多いです。
ただ、仕事柄さまざまな提案を求められるので、情報収集のために色々な所に出没しています。もし新しい建物やお店で壁を触ったり(素材が何かを確認している)、隅の方を真剣に眺めていたり(ディテールを考察している)している人がいたら、それは私達設計士の仲間に違いありません。
設計事務所の仕事や設計士の正体が少しは分かっていただけましたでしょうか? もし事務所の前を通ることがあれば、ぜひ仕事をしている私達の姿ををこっそりのぞき見してください。(プランニングの最中はいろいろと妄想している時もあり、さぼっているように見えるかも知れませんが、一応真剣に考えていますので悪しからず……)
これから毎月1回、日吉に住み、日吉で働く建築家の視点でさまざまなお話を書かせていただきますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。次回は5月に掲載します。
<執筆者>
朝倉元(はじめ):福岡県出身、1996年に武蔵工業大学工学部建築学科を卒業後、殖産住宅相互会社やアーネストホーム株式会社を経て2008年に日吉でエー・エム・エーデザイン建築設計事務所を設立
朝倉美穂:横浜市港北区出身、1996年日本大学理工学部建築学科を卒業後、株式会社松下トータルプラン、アーネストホーム株式会社を経て2008年に朝倉元氏と日吉でエー・エム・エーデザイン建築設計事務所を設立
(提供:エー・エム・エーデザイン建築設計事務所)
【連載記事】
・<日吉の建築家コラム>大変化する日吉と綱島、地元の設計事務所が果たすべき役割(連載第2回、2016年5月1日)
・<建築家コラム>新たな宅地を見つけづらい日吉、地元の建築家に何ができるか(連載第3回:最終回、2016年6月1日)
・人通りに面する場所に事務所を開設、日吉を拠点に活躍する建築家の思い、4月から連載(2016年03月22日)
【参考リンク】