慶應落研の1年生8人が「三つ目に覚えた」落語に挑戦――慶應義塾大学公認団体の慶應義塾大学落語研究会(慶應落研)は、2016年2月21日(土)13時より、慶應義塾大学日吉キャンパス642教室にて、1年生が“三つ目”に覚えたネタを披露する「三つ目の会」を開催します。
慶應落研では、4月以降同研究会に1年生が入部した後、夏ころに同部の引退を控えた4年生から、1年生が代々引き継ぐ高座(こうざ)名を告げられるといいます。
同部にて最大のイベントという秋の慶應義塾大学文化祭「三田祭」にて襲名口演を披露。それまで先輩方から指導を受けてきた一つ目、二つ目のネタから、さらに進んだ成長の証としての「三つ目」のネタを、慶應落研の伝統行事の「三つ目の会」として披露する習わしになっています。
「三田祭に標準を合わせ、落語を日々磨いてゆくのですが、この三つ目の会は、1年生8人がこれまでの成果を団結して発表する場なんです」と、第20代目「道楽」を襲名された松井彰吾さん(慶應義塾大学文学部)は語ります。
松井さんが落語を好きになったきっかけは、子どもの頃から家族に連れられて落語を観た経験から。高校時代に陸上部に所属していた松井さんは、その頃、人前でプレゼンする授業を体験。「目の前にいる人に語りかける」ことを面白いと感じ、大学入学後に自ら落語研究会の門を叩きます。「先輩方が大変個性的で、強烈な印象を受けました。一くせも二くせもあるつわもの揃いで、入部して以降も圧倒されました」と、当時の印象を振り返ります。
半世紀以上の歴史を誇る慶應落研の伝統の厳しさはあるものの、「いい意味の厳しさで、抑圧されるということは決してないんです。“お笑い”を重視する気風があり、ただ騒いだりもできますし、先輩方に対しても、こちらからも突っ込んでゆけます。自由度もあり、のびのびできるので、やりがいがとてもあるんです」と、慶應落研の魅力について話します。
落語の魅力はと聞くと、「お客様との距離の近さです。一人の人間が、10人から30人、そして100人以内のお客様の目の前で行うので、お客様のリアクションもリアルに伝わってきます。お客様の声ひとつで、雰囲気が全く変わるんです。例えばスマホやテレビ、映画などでは、制作側との距離が離れていると思うのですが、落語は目の前で演ずるので、距離がとても近い。目の前で楽しんでもらいたいと思っているんです。おそらく現代のエンターテイメントでは減っている“目の前でヤジを飛ばすくらい”の距離感で楽しんでいただければと思っています。当日は、飲食などしながら、かしこまらず、ぜひゆったり落語を観てもらえたら」と松井さん。
また、「今の“お笑い”は、ドカドカ笑わせようとしがちなのですが、落語には“クスクス”があるんです。演者によって個性が出るし、同じお話しを演じても、その人その人によって笑わせどころが異なり、盗作にもならない。機知に富んでいて、感覚的に“なるほどなぁ”と“にやっ”とさせてしまうあたりも落語の魅力です」と語る松井さん。
「今回、個性ある8人の1年生が、それぞれの個性を発揮しながら落語にトライします。当日の会場は入退場自由なので、ぜひ、お好きな演者の回にお越しいただくこともできます。まだ、お好きな演者がいらっしゃらない方は、これをきっかけに、ずっと応援したい演者を探してみてください」と、4年生になるまで続く「道のり」の入り口としての今回の口演への意気込みを、一年生らしい爽やかな語り口で語ってくれました。
慶應義塾大学落語研究会の一年生による「三つ目の会」は、12時30分開場、13時開演。一人あたり20分くらいの落語披露の合間に、コントなどの箸休めを入れて、約3~4時間の開催を予定。当日は入場無料。慶應日吉キャンパス第6校舎4階の「642教室」で開催、校舎内にはエレベーターがあり、利用可。飲食も自由で、「かしこまらず、寝てしまう、というくらいリラックスしてご覧ください」とのこと。
【参考リンク】
・慶應落研【三つ目の会】Twitter
・慶應義塾大学落語研究会 三つ目の会2016PV(YouTube)
・慶應義塾 日吉キャンパスマップ※銀杏並木の一つ目の角を左、最奥左の校舎(第6校舎)
【関連記事】
・大ホールで落語を楽しむ!慶應落語研究会が2/27(土)に4年生最後の「名人会」(2016年2月3日)
・日吉でオリジナル映画を楽しめる!創像工房の映画祭、2/5(金)から3日間(2016年1月31日)
・ASA日吉本町が恒例の落語イベント、12/12(土)14時から本町駅「いきいき会館」で(2015年12月11日)