図書館はないけれど、日吉・綱島でも本を借りられる場所は案外多いんです | 横浜日吉新聞

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ひよしコラム港北区は34万人弱もの人口を抱えながら、図書館がわずか1館しかないという“日本一残念な現状”ではないかと昨日(2015年12月25日)の本コラムで指摘しましたが、図書館の増設が行われないのは相変わらずではあるものの、日吉と綱島では地区センターや小学校などの公共施設に“図書室”という形で本を所蔵し、貸し出しが行われています。日吉での蔵書は計3万冊超、綱島は約1万8000冊にのぼります。また、日吉と綱島のそれぞれ1カ所ずつで、月に2回ほど移動図書館の定期巡回もあります。

現在、日吉地区で本の貸し出しを行っているのは、日吉本町1丁目の「日吉地区センター」をはじめとした6カ所があり、詳細は次の通りです。(情報はすべて2015年12月現在、タイトル部分などに該当施設のホームページへリンクを張っています)

日吉地区センター図書室(日吉本町1)

日吉地区センター(日吉本町1)は日吉駅西口から中央通り経由で徒歩6分(550メートル)の場所にある

日吉地区センター(日吉本町1)は日吉駅西口から中央通り経由で徒歩6分(約550メートル)の場所にある

・開館日:毎日開館(毎月第4月曜日<祝日に当たる場合は翌日>と12/28~1/4を除く)

・利用時間:月~土 9:00~20:00/日・祝 9:00~16:00

・貸し出し冊数:3冊

・貸し出し期間:2週間(夏休み課題図書は1週間)

・蔵書数:約14,000冊

■ 矢上小学校市民図書室(日吉3、場所などの参考情報:矢上小ホームページ

・開館日:土曜日と日曜日(毎月第1土曜日・学校行事などで休館あり)

・利用時間:10:00~12:00

・貸し出し冊数:3冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:6,818冊

・利用条件:矢上小の学区内に住む小学生以上

■ 日吉南小学校市民図書室(日吉本町4、場所などの参考情報:日吉南小ホームページ

・開館日:土曜日と日曜日(不定期の休みあり)

・利用時間:10:00~12:00

・貸し出し冊数:2冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:約4,300冊

下田小学校コミュニティスクール市民図書室(下田町4)

・開館日:土曜日と日曜日

・利用時間:14:00~16:00

・貸し出し冊数:2冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:約3,000冊

日吉台中学校コミュニティスクール(日吉本町4)

・開館日:水曜日と日曜日

・利用時間:14:00~16:30

・貸し出し冊数:2冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:2,488冊

親と子のつどいの広場こんぺいとう(日吉本町4)

・開館日:月曜日から金曜日まで

・利用時間:9:00~16:00(火曜日は12:00まで)

・貸し出し冊数:2冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:約150冊

コンフォール南日吉団地内へは定期的に移動図書館が訪れる

コンフォール南日吉団地内へは定期的に移動図書館が訪れる

移動図書館「はまかぜ号」巡回場所(月2回)(関連記事はこちら

・コンフォール南日吉管理事務所前(日吉本町4)

一方、綱島地区で本を借りることができるのは次の2カ所と、移動図書館の1カ所があります。

綱島地区センター図書コーナー(綱島西1)

綱島地区センターは綱島駅西口から徒歩5分(約500メートル)の場所にある

綱島地区センター(綱島西1)は綱島駅西口から徒歩5分(約500メートル)の場所にある

・開館日:毎日開館(ただし、第3月曜日<祝日の場合は翌日>/年末年始/文化祭(10月)/たな卸し日を除く)

・利用時間:月~土曜日は9:00~20:30、日・祝は9:00~16:30

・貸し出し冊数:3冊

・貸し出し期間:2週間(課題図書は1週間)

・蔵書数:10,000冊

■ 北綱島小学校市民図書室(綱島西5、場所などの参考情報:北綱島小ホームページ

・開館日:水曜日と日曜日(第2日曜・第3水曜は休室)

・利用時間:水曜日14:00~16:00、日曜日10:30~12:30

・貸し出し冊数:2冊

・貸し出し期間:2週間

・蔵書数:7,619冊

移動図書館「はまかぜ号」巡回場所(月2回)(関連記事はこちら

・綱島東三丁目公園(綱島東3)

港北区が発行している「図書館貸し出しマップ」

港北区が発行している「図書貸出施設マップ」

こうしてみると、図書館ほどの冊数はなく、開館日が限定されていることも多いのですが、本を借りれる場所は多く確保されていることが分かります。地区センターは日吉・綱島ともに駅から比較的近い場所に位置しており、開館時間も長いので便利です。

ただ、本の専門施設ではありませんので、種類は限定されてしまいますし、豊富な閲覧場所が整備されているわけではありません。また、移動図書館を除き、港北図書館や中央図書館とは別組織となっているため、図書館の本を取り寄せることもできません

やっぱり図書館に行って本を探したい!そんな時、日吉・綱島住民の頼りになるのが、菊名駅から徒歩7分の「港北図書館」(約20万冊所蔵)よりも、距離的に近く、交通の便も良い隣の川崎市中原区かもしれません。

中原図書館がある武蔵小杉駅の上にあるタワーマンション

中原図書館がある武蔵小杉駅の上にあるタワーマンション

武蔵小杉駅の頭上にあるタワーマンションの5~6階が「川崎市立中原区図書館」になっており、本来は川崎市民のための施設ですが、現在(2015年12月)のところ横浜市民であっても本の貸し出しカードを作ることが可能です。(予約や本のリクエストはできません)

約36万冊の本を揃え、子ども向けの読み聞かせコーナーまで完備している新しい図書館で、平日は21時まで開いています。東急武蔵小杉駅の渋谷寄りエスカレーターを昇っていけば雨に濡れずにアクセスできる便利な“エキナカ図書館”なので、都内へ日々通勤・通学する「日吉都民」や「綱島都民」の人にもぴったりです。

今は横浜市民であっても貸し出しカードを作ってもらえることになっていますが、利用案内には掲載されておらず、公(おおやけ)になっている利用ルールではありません。なお、川崎市に在勤・在学中の場合は、川崎市民でなくても問題なく利用が可能と記載されています。

川崎市立中原区図書館(武蔵小杉駅)

・開館時間:平日9:30~21時/土曜・日曜・祝日:9:30~17時

・閉館日:第3月曜日(施設点検日)/年末年始(12/29~1/4)

・蔵書数:約36万6,000冊

慶應日吉の図書館を利用する方法はないのか?

慶應日吉メディアセンター「日吉図書館」のホームページ

慶應日吉メディアセンター「日吉図書館」のホームページ

やはり「日吉といえば慶應」ということで、住民としては慶應義塾大学内の図書館が気になるところです。

慶應の日吉キャンパスには、日吉メディアセンターという名で「日吉図書館」と、大学院用の「協生館図書室」の2カ所があります。

残念ながらこれらは学生と教職員・研究者用なので一般の市民は利用できません。例外として、毎年秋に実施される「日吉キャンパス公開講座」や「公開講座慶應外語」の受講者に限り、期間中は日吉図書館内で閲覧することが可能です。また、卒業生(塾員)は別途手続きを行えば利用ができます。

どうしても日常で使いたい!という場合は、年間10~15万円(スクーリング費用は別途必要)ほどの学費を払って「通信教育課程」の学生になるという方法もないわけではありません。ただし、協生館図書室は大学院生用なので、学部生は基本的に利用できません。

日吉3丁目の丘の上にある矢上キャンパス

日吉3丁目の丘の上にある矢上キャンパス

一方、日吉キャンパス以外に、理工学部の矢上キャンパス(日吉3)にも「理工学メディアセンター(松下記念理工学図書館)」という名の図書館と「理工学部数理科学科図書室」の2カ所があります。いずれも坂道を上った先にある「創想館(14棟)」が出入口となっています。

この2カ所については、閲覧したい資料や書籍を申し出て、運転免許証や健康保険証などの身分証明書を持参すれば、市民でも館内で閲覧することは可能となっています。さすがは日吉に根差した理工学部、太っ腹です!(というよりも、個人であっても理工分野を研究したい人に広く公開するという姿勢です)

理工学分野の図書館ですので、同分野の専門書が中心の所蔵(一般書もあります)となっています。また「数理科学科図書室」では95%が外国語による書籍です。いずれも、単に「本を読みたい」という目的では利用はできませんので、理数関連で調べたいことがある時に利用させてもらうという形がよさそうです。

【関連記事】
日本一の人口持つ“仮想自治体”港北区、政治への反映欠如が行政サービス低下に?(2015年12月25日)

【参考リンク】
港北区図書館貸し出しマップ(2015年版、PDFファイルです)


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