国の言う“待機児童”は減っても、認可に入れぬ「保留児童数」が横浜ワーストの港北区

横浜日吉新聞
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横浜市が発表した2015年10月1日現在の「待機児童数」は市内全体で292名。ここには育児休暇などを取った親や、自宅で親が休職中ながら保育園を希望する児童2065名分と、一時保育の利用者316名も合わせて2381名は「待機児童ではない」と計算されている

横浜市は2015年10月1日現在の保育園の「待機児童」数を昨日(12月10日)発表しました。これによると、港北区での待機児童数は前年と比べ23人減の71人となっています。一方、認可保育園を希望しているのに定員超過で入れない「保留児童」は、逆に148人増えて829人となっていました。

待機児童の定義は、国により決められています。

それは、「保留児童数」のなかから

(1)横浜保育室などに入所した児童の数
(2)親が育児休暇を取得している人の数
(3)特定の園などを希望する人の数
(4)主に自宅で求職活動をしている家庭の数

差し引いた数を「待機児童数」と呼んでいます。

日吉・綱島地区の保育園ではこれだけの待ち人数がいても港北区全体で待機児童数は「71名」とされている

日吉・綱島地区の保育園ではこれだけの待ち人数がいても港北区全体で待機児童数は「71名」とされている

横浜市は日本一の人口を持つ基礎自治体ながら、2013年に「待機児童ゼロ」を実現したことで全国的に注目を集めました。この時点では、国の定義による“待機児童”はなくなったことになっています。

ただ、実際には「認可保育園に入れない」「横浜市保育室もいっぱいだ」「遠い場所の保育園しか空いていない」との声が当時から相次いでいます。特に人口流入が続く港北区は保育園の“激戦区”として知られており、保留児童数は市内ワースト1です。

その港北区のなかでも日吉・綱島地区は区内最悪といえる状態で、12月1日現在で認可保育園の入所希望者(延べ人数、複数園の希望者も含む)は、200人以上待ちの園が1園、100人以上待ちの園が8園となっています。そんな“惨状”であっても、国の基準では「待機児童は区内全体で71名」であり「昨年より23名減った」ということになります。

日吉・綱島地区での深刻な保育所不足に対応するため、このようなチラシが作成されている

日吉・綱島地区での深刻な保育所不足に対応するため、このような独自のチラシが作成されている

横浜市では、保留児童数が特に多い港北区での保育園増設を急いでおり、今年度は認可園などの定員を604人増やしたばかりですが、入所の希望者がそれを上回っている状態で、この数年は保育園の整備が追いつかない状況が続いています。

また、日吉・綱島地区に関しては、港北区役所が独自に「日吉、綱島地区の土地オーナー様、保育園に土地をお貸しください!」と題したチラシを作成し、土地の貸与を呼び掛けているほど保育所不足が深刻です。

数字上では区内全体でわずか「71名」の待機児童としか計算されていませんが、子どもを保育園に預けて働きたい、という切実な声に応えるにはいたっていません。特に日吉と綱島の街では、解決までに長い道のりとなりそうです。

【関連記事】

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【参考リンク】

コラム~保留児童と待機児童ってどう違うの?(ページ中ほど、横浜市こども青少年局)

平成27年10月1日現在の保育所等利用待機児童数についてPDFファイル、横浜市こども青少年局)


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