あす2015年10月15日(木)から11月5日(木)まで、来年4月(平成28年度)1日から横浜市の認可保育園を利用するための申請期間が始まります。
「待機児童ゼロ」の目標を掲げ、横浜市では国などが定めた規定で“待機児童がない”ということになったこともありましたが、港北区の日吉・綱島地区では、ゼロ歳から2歳までの子どもを保育園に入れるためには、多大な苦労があります。10月1日時点で入所を待つ児童数は延べ人数では「2000名」という数字になっています。
このほど港北区が発表した10月1日現在の「延べ待ち人数(保留児童数)」では、日吉と綱島にある27の認可保育所と小規模保育事業で入所を待つ延べ人数が2028名との数字となっていることがわかりました。
ただ、この数字は、第一希望以外にも利用希望者が「入所を希望する」園として第2・第3希望などとして挙げた認可保育園をすべて含んでいるため、実際に2000人以上が入所を待っているわけではありません。しかし、その保育園を希望する人がどれだけいるかという点では“人気”と入りづらさの実態を反映しているといえます。
日吉・綱島に27ある「認可保育園」と「小規模保育事業」のうち、希望者が多い順に並べたのが下部の表になります。
慶應義塾大学の「協生館」内にある「ベネッセ日吉保育園」の182人待ちを筆頭に、綱島のヨーカドー近くにある老舗の「尚花(しょうか)愛児園」や綱島駅近くの「パレット保育園・綱島」、市立南日吉保育園の隣にある「横浜りとるぱんぷきんず」の4園では3ケタの待ち人数になっています。
駅から近い園や保護者からの評判が良い園は、おおむね待ち人数が多くなり、競争率が激化する傾向にあります。そもそも受け入れ人数が少ない小規模保育でさえ、2ケタの待ち人数となっています。
横浜市が認可する保育園への入園は、世帯の収入や就業(共働きか否かや業務時間など)、兄弟や家庭の状況などについて、入園希望者ごとに「A」から「I」までの11ランクに分け、それによって上位の人から希望の園に割り当てられます。
一例をあげると、「自宅以外の勤務地で、両親ともに、月20日以上かつ1週間40時間の労働に従事している」場合は、「A」ランクになる、といった具合です。同一で希望者が並んだ場合はどうするかや、優遇される事例など、これ以外にも細かなランク分けがあります。(横浜市サイト内の利用案内PDFの19ページ目に細かな規定が掲載されています)
3歳以上の子どもの場合は、幼稚園での受け入れや幼稚園の時間外預かりが整備されたこともあり、どこの保育園でも競争率は低いのですが、ゼロ歳から2歳まではほとんどが定員超過で、希望通りの保育園に入れるのは至難です。
10月1日現在の各認可保育園の「待ち状況」一覧は以下の通りです。
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マンションや一戸建ての新築などで人口流入が続く日吉と綱島では、横浜市が市内でも特に対策に力を入れ、新規園を毎年のように開園させてはいるのですが、人口増のスピードに追いていない状況です。今後、再開発によるマンションの新設がさらに増えるため、市が相当な力を入れない限り、認可保育園の競争率が上がることはあっても、下がることは考えづらい状況です。
ゼロ歳から2歳までの子を持つ人が運よく認可保育園に入れれば問題はないのですが、もし入れなかった場合は、まず「横浜保育室」の空きを探す必要があります。
横浜保育室は国が定めた「児童福祉法」に準拠した保育所ではありませんが、横浜市が独自に設けた基準を満たしている保育園で、主に3歳未満の子どもを預かることに特化しています。
以下の一覧表はスマートフォンでご覧の場合、「横」位置で見られる設定になっていると、各園定員の部分まで見ることができます。
日吉と綱島地区には、合計10の横浜保育室があるのですが、ここの定員をすべて合わせても最大で440名ですので、今いる子どもだけで定員を満たし、受け入れ数が極端に少なくなっている園もあります。
もし、横浜市保育室にも空きがない場合は、いわゆる「認可外」の保育園を探すことになります。
横浜市に届け出を出している園は日吉・綱島には6園ありますが、ここの定員はわずか157名です。認可園や横浜保育室ではないとはいえ、地元で知名度のある園が多く、既に定員が埋まっている場合もあります。また、行政からの補助を受けていないため、保育料は認可園や横浜保育室より高くなってしまいます。
以下の一覧表はスマートフォンでご覧の場合、「横」位置で見られる設定になっていると、各園定員の部分まで見ることができます。
横浜市に届出済みの「認可外」保育施設 | 定員 |
くじら保育園(下田町5丁目29-23) | 30 |
ベネッセ日吉保育園トゥインクル一時保育室(日吉4丁目1-1慶應協生館内) | 15 |
港北子育て支援ワーカーズ・コレクティブ ココット(日吉5丁目24-33) | 18 |
保育所ちびっこランド日吉園(日吉2丁目12-7) | 30 |
プリンプリンルーム+2(綱島西3丁目9-14) | 44 |
はっぴーはーと保育園(綱島西6丁目7-10) | 20 |
日吉と綱島は、交通の便が良く、居住地として人気が高い場所だけに保育園に入るのも大変で、公立小学校も生徒があふれている状況です。
まずはゼロ歳から2歳までの預ける場所をどう確保するか。働いて子どもの面倒をみながら保育園を探すという苦労はありますが、今回の申請を逃せば、保育園に入れるチャンスは格段に減ってしまいます。
明日から約3週間の期間がありますので、まずは日吉駅の行政サービスコーナーや、近くの認可保育所などで申請書類を手に入れてください。港北区役所内には専用電話番号(045-664-2607)が設けられているほか、認可保育所で実際に状況を聞いてみるのもいいかもしれません。
多くの保育園の運営者は、一人でも多くの子どもを受け入れたいと考える人が多いので、親身に相談にのってくれるはずです。
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【参考リンク】
・平成28年度 保育所等利用申請について(横浜市港北区)