大規模開発で注目を集めるのはパナソニックやアピタ日吉店の跡地だけではありません。日吉駅近くの綱島街道沿いでも行われる可能性があります。
慶應大学協生館の隣、日吉消防出張所の真横にある大きな2棟の建物は「日吉台学生ハイツ」(箕輪1、現在の正式名は「東京・スチューデントハウス日吉台」)として知られていますが、ここが来年(2016年)3月限りで閉館されます。既にWebサイトでも告知されています。
かつて池だった場所を埋め立て、1969(昭和44)年3月に開設されたこの学生向けアパート。2002年には耐震工事を行っており、館内もリニューアルしていて古さはそれほど感じませんが、「建物の老朽化・陳腐化が著しい」(建物運営者)ことから、閉館を決めたようです。
2006年から建物を所有するアドバンス・レジデンス投資法人は、昨年(2014年)11月に日吉台学生ハイツの土地と建物を38億円で売却しています。
売却先は、この投資法人と関係が深く、日吉台学生ハイツの運営者でもある伊藤忠商事。同社はかつてこの建物の所有者だった過去もあります。なお、正式な譲渡先は、この土地を開発する目的で設立したと見られる「合同会社日吉プロパティーズ」という会社名になっています。
現在のところ、伊藤忠や日吉プロパティーズなどから、取り壊しや再開発の予定については何も発表されていませんが、築年数が46年を超えていることを考えると、建物を取り壊して、新たな開発が行われる可能性が高いとみられます。
日吉台学生ハイツは、地上8階・地下1階の建物が2棟あり、ワンルームの部屋が920あります。月に3万4000円~5万5000円の賃料で、別途月額2万円を払えば朝食や夕食も提供されることから、現在もかなりの学生が利用しているようです。
このハイツが建っている土地の面積は、2万平方メートルといわれるアピタ日吉店跡地の4分の1ほどの規模感(4700平方メートル)ですが、日吉駅東口から徒歩3分という好立地で綱島街道にも面していることから、マンションや商業施設などの需要は高いとみられます。
綱島街道沿いの大規模開発では、米アップルが進出するパナソニック工場跡地ばかりに目がいってしまいがちですが、同じ道路沿いにある日吉台学生ハイツの行方も大いに気になるところです。
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