みなとみらいで相次ぐ「音楽アリーナ」計画、コーエーは“ライブハウス型”

横浜日吉新聞

横浜中心部の大規模開発地「みなとみらい21」では、民間企業による2000人から2万人規模の音楽ホール(アリーナ)が3カ所で計画されています。5000席を持つパシフィコ横浜の「国立大ホール」や、2000人席の「横浜みなとみらいホール」といったすでにある2つの公設ホールに加えての建設ラッシュ。この先、5カ所もの音楽イベント施設が集中することになり、果たして需要はあるのでしょうか。

ケン・コーポレーションが2023年3月までに完成させる予定の「2万人規模の音楽専用アリーナ」と「地上21階建てホテル」や「20階建てオフィスビル」「2階建ての展示施設」のイメージ図(横浜市の発表資料より)

音楽向けホールが計画されているのは、みなとみらい線の「新高島」や「みなとみらい」の駅に近いエリアで、なかには横浜駅の東口(海側)から歩いてアクセスできる位置に計画されている施設もあります。

今月(2017年11月)発表されたのが、3つのなかで最大規模となる「2万人規模の音楽専用アリーナ」です。一昨年末まで横浜F・マリノスの練習場として使われていた「マリノスタウン」の跡地などを使い、音楽専用アリーナのほか、地上21階建てのホテルや20階建てのオフィスビル、2階建ての展示施設を整備する計画。

ケン・コーポレーションによる2万人規模の音楽アリーナやホテルなどの建設予定地、右手前に見えるのは富士ゼロックスのビル(2017年10月撮影)

高級マンションで知られる不動産企業のケン・コーポレーションが横浜市から3万平方メートル超の土地を購入し、2022年3月(平成33年度)までに整備するといいます。

広大なエリアのため、建物の位置にもよりますが、最短で新高島駅から徒歩5分、横浜駅からも徒歩10分程度でアクセスできる可能性があります。最大で1万7000人が収容できる新横浜の「横浜アリーナ」よりも巨大なアリーナが、横浜駅の近接エリアに生まれることになります。

ぴあが2020年春に開業させる予定の地下1階・地上4階建て「1万人収容コンサートアリーナ」のイメージ図(ぴあのニュースリリースより)

一方、みなとみらい駅から徒歩7~8分の首都高速みなとみらい出入口近くに計画されているのは、チケット販売で知られる「ぴあ」による地下1階・地上4階建ての「1万人収容のコンサートアリーナ」。2020年春に開業する計画とし、来月には工事が始まる予定です。

ぴあによると、今年7月の発表時点では「民間企業の単独主導による1万人規模のアリーナ建設と運営は、国内でも初めての事例」(同社)だったといいます。電車で1駅離れているとはいえ、2万人と1万人の「アリーナ」が近距離に生まれることになります。

コーエーテクモが本社オフィスとともに、ライブハウス型ホール「(仮称)KT Zepp Yokohama」を2020年春に開業を予定する場所は、横浜駅からも徒歩10分程度の距離にある(コーエーテクモのニュースリリースより)

これに加え、スタンドに囲まれた形の“アリーナ”ではなく、“ライブハウス”型として計画しているのが日吉に本社を置くコーエーテクモゲームスです。

新高島駅徒歩3分、横浜駅からも徒歩10分ほどの場所に、地上15階・地下1階建てのホテルなどを含んだ複合ビルを三菱地所が建設し、このうち1600人収容の本社オフィスと立席で2000人収容のライブハウス型ホール部分をコーエーテクモが取得。Zepp(ゼップ)ブランドのライブ会場で知られるZeppホールネットワークとともに、「(仮称)KT Zepp Yokohama」を2020年春に開業する計画とし、まもなくビルの建設工事が始まる予定です。

2020年から2022年の春までに、みなとみらいエリアでは、

  • 2万人規模の音楽専用アリーナ(ケン・コーポレーション)※2022年3月まで(平成33年度)に完成予定
  • 1万人収容のコンサートアリーナ(ぴあ)※2020年春に開業予定
  • 5000人収容の「パシフィコ横浜 国立大ホール」※既存
  • 2000人収容の「横浜みなとみらいホール」※既存、クラッシック音楽向け
  • 立席2000人規模のライブハウス型ホール「(仮称)KT Zepp Yokohama」(コーエーテクモ)※2020年春に開業予定

これら2000人から2万人まで収容可能な5つの音楽ホールが林立する予定となっていますが、果たしてそれほどの需要はあるのでしょうか。

コーエーテクモゲームスが本社を移し、2000人規模のライブハウス型ホールを設ける予定の15階建てビルが建設される予定地(9月撮影)

ぴあ総研が今年9月に発表したライブ・エンタテインメント市場規模の調査によると、コンサートや演劇などライブ市場は2016年に前年から2.0%減となっています。これは、「公演回数は増加しているものの、アリーナクラス会場での公演が減少した影響を受けて、1公演当たり動員数が低下しました」といい、「首都圏を中心に、改修に伴う閉鎖や老朽化による解体が相次ぐことによってライブ会場が不足する『2016年問題』が、浮き彫りになる結果」(同調査)だと分析しています。

みなとみらいで次々と明らかになる音楽ホール計画は、現時点で不足傾向が続く首都圏のライブ市場を反映したものとみられます。

ただ、日吉最大の企業であるコーエーテクモホールディングスの大部分が流出してしまううえ、横浜アリーナの稼働状況にも影響を与えるであろうこれらの計画は、港北区から見ると、少なくとも手放しで喜べるという内容ではなさそうです。

【関連記事】

<コーエー>2019年にみなとみらいへ本社移転、日吉の拠点は大幅縮小か(2016年10月27日、横浜日吉新聞)

稼働率が過去最高だった「横浜アリーナ」、市内への経済波及効果は409億円に(2016年8月10日、新横浜新聞)

【参考リンク】

「みなとみらい21」の開発状況図PDF、横浜市)

みなとみらい21地区 60・61街区(一部)の事業予定者決定についてPDF、2017年11月8日横浜市、ケン・コーポレーションに売却するとの内容)

ぴあ、収容 1万人規模の大型音楽アリーナを、横浜・みなとみらい地区に2020年春開設PDF、2017年7月20日)

横浜・みなとみらい21地区に本社オフィスとライブハウス型ホールを取得(2016年10月27日、コーエーテクモホールディングス)

横浜・みなとみらい21地区に新「Zepp」が2020年春に誕生!(2017年3月30日、Zeppホールネットワーク)

パシフィコ横浜「国立大ホール」の紹介ページ(1994年開設、約5000席)

横浜みなとみらいホールの公式サイト(1998年開館、約2000席)


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