綱島SST裏手の旧農地「生産緑地地区」の指定削除へ、市が都市計画案を縦覧 | 横浜日吉新聞

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横浜市の都市整備局は「生産緑地地区」の変更として、綱島東4丁目の生産緑地指定を削除する内容を含んだ都市計画案の縦覧(じゅうらん=計画案の公開)を行っています。場所は「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(綱島SST)の裏手にある2カ所の旧農地とみられ、すでに1カ所ではマンション建設工事が始まっており、もう1カ所は舗装されてレンタル倉庫として使われているため、今回の指定解除以前に農地としては使われなくなっています

綱島東4丁目にあった生産緑地地区は、現在マンションを建設中(2015年8月の写真)

生産緑地は都市の農地を保全する目的で1992年に始まった制度で、指定されると税制面での優遇が受けられるのが特徴。横浜市では2016年12月現在で1686カ所(295.4ヘクタール)が指定されていますが、このうち今回の変更では廃止と範囲の縮小のみが行われており、全体で6.5ヘクタール分が減ることになります。

その理由として市は「主たる農業従事者の死亡等により生産緑地地区の一部又は全部の区域の買取申出が行われ、生産緑地法による行為の制限が解除された場合や、公共施設の敷地の用に供された場合など、指定要件を満たさなくなった地区について、生産緑地地区を廃止・縮小します」としています。

綱島東4丁目付近における「生産緑地地区」の分布図(横浜市「iマッピー」より)

指定地は30年が経過すると解除されるため、制度が開始した1992年から30年後となる2022年には、都市部の農地が一斉に宅地化されるのではないかとの懸念もあります。横浜市でも同年には全生産緑地の約7割が解除される予定になっているといいます。そのため、国では「特定生産緑地」という制度を設け、2022年以降も生産緑地を10年ごとに延長できるよう改正法を施行する予定です。

綱島東4丁目では今回廃止される2カ所以外に生産緑地地区はなく、同町内に指定地がなくなることになりました。

【関連記事】

工事が進む「綱島SST」の“真裏”で気になる動き、2カ所の農地は住宅に変わるか?(2016年7月29日、すでに2016年から農地廃止への動き)

<綱島SST裏の旧農地>7階建て66戸のマンション計画、明和地所「クリオ」か(2016年8月25日)

<綱島SST>アップル研究所裏手で空地だった旧農地、加瀬のレンタル倉庫に(2017年1月19日)

【参考リンク】

都市計画案の縦覧「生産緑地地区の変更について」(横浜市、縦覧は2017年10月10日まで実施)

生産緑地地区について(横浜市)

2022年に破裂する「生産緑地」という時限爆弾(東洋経済オンライン、2017年7月30日)


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