日吉駅近くの慶應留学生寮「インターナショナルハウス」解体、築60年の元社宅 | 横浜日吉新聞

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1957(昭和32)年に建てられた「日吉インターナショナルハウス」(旧三菱重工社宅)は計4棟ある

日吉2丁目の川崎市中原区との境界に近い位置に置かれていた学生寮「日吉インターナショナルハウス」が先月(2017年5月)初旬から解体が行われています。築60年を迎えた4棟の建物は9月までに取り壊され、その後の土地活用方法については明らかになっていません。

綱島街道の仲の谷交差点からほど近い緩やかな高台にある日吉インターナショナルハウスは、元は三菱重工の社宅だった建物1957(昭和32)年に東急電鉄が社有地を使って4階建ての建物4棟を建設し、これを三菱重工が買い取ったものだといいます。

「日吉インターナショナルハウス」の位置、日吉駅近くにかなり大きな規模の更地が生まれることになる(グーグルアースを加工)

近年は2003年に改築が行われているほか、建物全体を慶應義塾大学に貸し出し。同大学では日吉インターナショナルハウスという名で、2名定員の10平方メートルの部屋40室と夫婦用の36平方メートルの部屋66室を設け、留学生用の寮として活用してきたものの、「契約終了により今年(2017年)3月で閉鎖した」(同大学)とのことです。

現在、同建物と土地は菱重(りょうじゅう)プロパティーズ(東京都港区)が所有。同社は三菱重工の不動産関連事業を分社化し、JR西日本が70%の株を引き受ける形で2016年に設けられた不動産事業会社。「歴史と実績を誇る三菱重工グループの総合力と技術力を活かしたデベロッパー」(同社公式サイト)として、首都圏から西日本エリアでマンションや一戸建ての分譲や賃貸事業を展開しています。

高い位置に建つ「日吉インターナショナルハウス」、左の木がある部分が日吉2丁目公園、右側は矢上川の「中吉橋」へ続く道

同社によると、「建物が老朽化しており、安全のため取り壊した」といい、今後の土地活用方法については未定だといいます。

日吉駅から徒歩7~8分圏内であり、4階建ての建物が4棟も建っていた広さを持つ土地だけに、今後の行方に注目が集まりそうです。

)本記事は読者の方からの情報提供をきっかけに掲載しました。ありがとうございます。

【参考リンク】

旧「日吉インターナショナルハウス」の場所(日吉2丁目27番、グーグルマップ)

菱重(りょうじゅう)プロパティーズの公式サイト(建物と土地の所有者)

まちなみ図譜・文献逍遥 其ノ四PDF、一般財団法人 住宅生産振興財団による2006年3月「家とまちなみ」、東急不動産の『街づくり五十年』を読み解いた内容で、三菱重工社宅についての記述も)


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