<日吉駅前>和モダンの甘味処「浜大」がオープンへ、地元食材へのこだわりも

横浜日吉新聞
1980年代半ばまで日吉にあったスーパー「浜大(はまだい)」が新たに甘味処として日吉に復活へ。スーパーながえ(日吉本町1)の隣の小さなビルの2階にオープン予定

1980年代半ばまで日吉にあったスーパー「浜大(はまだい)」が新たに甘味処として日吉に復活へ。スーパーながえ(日吉本町1)の隣の小さなビルの2階にオープン予定

慶應の学生が日吉でゆっくりと寛げる「和モダン」の喫茶店をつくりたい――日吉ゆかりのオーナーの強い想いが結実しようとしています。日吉駅西口から徒歩約3分、日吉商店街のスーパーながえ隣、ラーメン店「武蔵家」の向かいに位置するレトロなビルの2階に、新たに「甘味処浜大(はまだい)」が今月末(2017年6月)または来月7月初旬にもオープンすることがわかりました。【2017年6月30日(金)にオープンしました(同日追記)】

この「浜大」を運営するのは、有限会社磯崎商店代表の若宮博彦さん。スーパーながえの場所にて、1980年半ば頃まで日吉住民に親しまれたスーパーマーケットの「スーパー浜大」を創業した故・磯崎慎二さんの孫に当たる方です。

磯崎さんの娘(若宮さんの母)が結婚し夫の実家である四国・愛媛に移ったため、若宮さんは同地で生まれ育ちますが、時折帰省する日吉の街、特に「今でも人生で最も尊敬する祖父(磯崎さん)」が大好きだったといいます。

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伝説の祖父、スーパーの歴史継ぐ「浜大」の名前を店名に

「祖父は、太平洋戦争で海外の戦場に出征(しゅっせい)した時にも、現地で調達係のようなことをやっていたと聞いています。将校らが求めるもの、お酒やたばこ、食品、食材など、うまく口利きなどしてなんとか揃える力があったらしく、戦地から戻った際も偉く出世して戻ってきたようです。そんな“商人としての力”が、きっと浜大を創業したきっかけに至ったのだと思います」と若宮さんは、幼い頃から繰り返し聞かされてきたという祖父・磯崎さんの武勇伝について語ります。

尊敬する祖父でスーパー浜大の創業者・故磯崎慎二さんの意思を継ぎたいと、店名は「浜大」に決定したという(写真は準備中の店名看板)

戦地から戻った磯崎さんは乾物や炭を売るなどし生計を立てていましたが、日吉駅前で本格的なスーパーマーケットの第1号となる「スーパー浜大」を創業。「看板もなく、袋にも店名がないような店だったのですが、毎日特売りを仕掛けたりすることで、来店客を買い物に夢中にさせていたと聞いています。記憶の中でも、幼な心に祖父の商売人としての勘、実力はすごいなと思っていました」と、地元の人にとって欠かせない生活インフラとしてばかりでなく、ワクワクするような店舗作りを祖父が行っていたと若宮さんは小さな頃からの記憶をたどります。

「横浜で一番」のスーパーを目指し祖父が名付けた「浜大」の店も、時代の流れに押され閉店する際には「近所で“閉店しないで”という署名活動も行われ、地元の女性たちがそれを持ち込み、多く激励のため駆け付けてくれたと聞いています。まだ日吉東急もない時代祖父のスーパーがそこまで地域の皆さんに愛されているお店だったことを、今も強く誇りに思っているんです」と、今回の甘味処に、祖父が興した“浜大”の店名を冠することを決めた経緯について説明します。

“劇場”イメージの和モダン空間で、女子学生も“ゆっくり”寛げる店に

愛媛育ちの若宮さんは、学生時代そして社会人としても東京に上京するなどしていましたが、祖父の磯崎さんが亡き後、磯崎商店を愛媛の母が継ぐという状況の中、仕事の区切りで四国に帰るか、首都圏に残るか、となった際、「母ももう高齢で、四国から日吉に頻繁に来ることが難しくなったこともあり、ただ、この日吉をどうしても“そのまま”にすることができず、自身がここ(日吉)に住む決意をしたんです」と若宮さんは日吉の街へやってきます。

ロマンティックな優しさ醸(かも)す「劇場」をイメージしたという店舗2階に上がる階段部分。壁のイラストも店主・若宮さんのデザイン。ペンキも自身で塗り、建具も手作りしているという

ロマンティックな優しさ醸(かも)す「劇場」をイメージしたという店舗2階に上がる階段部分。壁のイラストも店主・若宮さんのデザイン。ペンキも自身で塗り、建具も手作りしているという

今回のお店については、「日吉では今までなかった」和モダンの喫茶空間を初アレンジ。慶應の学生らが憩うことができる場所を創出したいと、自ら店舗レイアウトをデザイン。ペンキ塗りから木目にこだわったドア枠作りなど、一つひとつ「手作り」で開店準備を進めています。

「ぜひこの日吉の街でゆっくり、若い女子学生の皆さんにも寛いでもらえる場を提供したかったんです。ここは“日吉の裏”でなく、“日吉の表”。ラーメン屋さんやビストロなど、男子学生らが居心地良く過ごせる場所はたくさんありますが、多く女性が“和”の味を楽しめる店が今この日吉にはないので、自ら作ってみようと思いました。積極的に足を運んでもらえたら」と、今は日吉東急で買い物を終えてしまうことが多く、またつい渋谷や自由が丘、さらには横浜まで出てしまいがちな慶應の女子学生にも、ぜひ買い物ついでや、授業の合間にでも立ち寄ってもらいたいとコンセプトを練ってきたとのこと。

店の入り口は“ロマンティックな劇場”をイメージしています、と若宮さん。「オシャレな和モダンの世界を感じていただき、美味しい甘味や軽食でゆっくり寛いでもらいたいと思っています」と、敢えて今回採用した、人生経験豊富な“高齢”のシニアスタッフと和やかにコミュニケーションを取れる場としても、この「浜大」が、立ち寄るのに楽しい店であることを感じてもらいたい、と想いを込めて語ります。

「祖父の志」が生涯の目標、地場企業ともコラボで地域に“賑わい”を

この場所には昨年(2016年)末までヨガスタジオ(イルチブレインヨガ)があったが綱島に移転し空き店舗になっていた。飲食店が立ち並ぶ立地としては日吉の飲食店の賑わいを感じられる絶好の場所。ロゴやうちわなど販促ツール作成は日吉(近所)の印刷店が全面的に協力してくれたという

この場所には昨年(2016年)末までヨガスタジオ(イルチブレインヨガ)があったが綱島に移転し空き店舗になっていた。飲食店が立ち並ぶ立地としては日吉の飲食店の賑わいを感じられる絶好の場所。ロゴやうちわなど販促ツール作成は日吉(近所)の印刷店が全面的に協力してくれたという

祖父が志した「街の賑わい」「人々に欠かせない場所」としての浜大の“復活”には、既に近隣の店舗・人々からも多く激励が寄せられているといい、「地域に愛される店として、地元食材にもこだわって運営していきたいと思っています。かき氷で使うあずきやあんは、横浜の老舗工場として知られる清水製餡(あん)所(泉区)の製品を使用することにしました」と、地元・横浜でも人気の店からの仕入れにこだわったといいます。

また、かき氷は、「純氷」(じゅんぴょう=にごりや混じり気のない氷)を使うことにやはりこだわりたいと、綱島の池田乳業(綱島東1)まで出向き、氷の仕入れを交渉したとのこと。

さらには、若宮さんが生まれ育った四国では「当たり前のように日常にありました」という鍋焼きうどんを、関東地区では冬場にしかなかなか見掛けることがないことから、「四国で味わってきたような味を、一年を通じて提供できないかとも計画しています。麺は偶然出逢い、“これは美味しい”と感じた、やはり地元・横浜の総合麺メーカーとして知られる株式会社丸紀(新吉田東7)から仕入れたいとこちらも交渉を行いました」と、祖父顔負けの「体当たり」の精神にて、積極的に地元食材の調達に挑戦しています。

応募資格は「70歳まで」とシニア採用を打ち出した若宮さん。元気なおじいちゃん、おばあちゃん、学生、子どもたちが賑わう街・日吉の中心的な場所にしていきたいという

応募資格は「70歳まで」とシニア採用を打ち出した若宮さん。元気なおじいちゃん、おばあちゃん、学生、子どもたちが賑わう街・日吉の中心的な場所にしていきたいという

幼少時から、年に1、2回、電車や飛行機にゆられて帰省した日吉の街。“たくましい”伝説の商売人といわれた祖父・亡き磯崎さんの「志」を継ぐべく、新たな挑戦を行うことを「生涯の目標」として決意した若宮さん。

「近隣店舗にも積極的に挨拶(あいさつ)に出向いています。ぜひ、日吉の街の活性化にも貢献できたなら嬉しいです」と、新しくオープンする“浜大”が順調に地域の人々や、日吉の学生らに親しまれることを夢見ているという若宮さん。更なる街の“賑わい創出”にも力を入れたいという“三代目”若宮さんのチャレンジは、今この街で始まったばかりです。

<営業案内>

営業時間:10時~21時、月曜定休(予定)※詳細は電話(045-548-4977)に直接ご確認ください ※2017年8月16日追記:営業時間が変更になりました(19時閉店)

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【参考リンク】

和風甘味・食事処浜大公式サイト(2017年10月開設)

横浜日吉と浜大の歴史(浜大公式サイト・2017年10月開設)

和風甘味・食事処浜大へのアクセス(浜大公式サイト・2017年10月開設)※日吉駅から徒歩約3分

日吉西口駅前の変遷(とうよこ沿線サイト)※スーパー浜大の前身「八百勝」の写真・記述あり


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