市営地下鉄グリーンライン・日吉本町駅の至近にある株式会社明治の社員寮「緑風荘」(日吉本町3)が解体されることがわかりました。
同社によると1970(昭和45)年に建設した同寮は、4階建て16戸と3階建て12戸の2棟があり、今年(2017年)3月末までに全世帯が撤収。明治はすでに土地を手放したといいます。解体は8月末まで行われる見通しで、土地の売却先やその後の活用方法は不明です。
同寮に隣接する日吉本町駅寄りには、かつて東証一部上場企業の天然ガスタンクメーカーであるトーヨーカネツの旧独身寮も並んで建っていました。
この3階建ての建物は、独身寮として使われなくなった後、産能短期大学の学生寮として活用され、近年は介護施設「デイサービスのぞみの家日吉」となっていましたが、昨年(2016年)秋に解体。現在は更地となっており、土地はトーヨーカネツの関連会社が所有しているとみられます。
同駅周辺の日吉本町3丁目は、1980年代から90年代には多くの企業が社員用の寮や社宅を置いていた集積地。2008年3月のグリーンラインと日吉本町駅の開業を見越して、2000年代に多くが民間のマンションやアパートなどに転換されました。
たとえば、これまでに以下のような企業や団体が寮や社宅を置いていました。
- 日立クレジットの日吉寮 → メルベーユ日吉(1993年築、12戸)※明治寮と同じ区画
- 岡本工作機械製作所(かつて箕輪町2丁目=旧アピタ日吉店などの場所に本社・工場)の日吉寮 → ライオンズマンション日吉ガーデン(1999年築、39戸)
- 九贈株式会社の日吉荘 → ラ・ベルヒヨシⅡ(2000年築、18戸)
- 日本電気(NEC)の日吉寮 → サンフル日吉本町ガーデンハウス(2001年築、75戸)
- 北海道拓殖銀行(※1997年経営破たん)の日吉アパート → サーパス日吉本町(2003年築、64戸)
- 明治製菓(※現明治)の日吉独身寮や北陸銀行の日吉家族寮 → グランシティ日吉本町2(2004年築、37戸)
- 協和銀行(※現りそな銀行)の日吉寮 → レクセルプライム日吉本町(2005年築、32戸)
- 第一ホテル(※2000年経営破たん)の日吉独身寮 → D’クラディア日吉本町(2005年築、39戸)
- 東芝多摩川工場の日吉荘 → クィーンシティ日吉本町(2006年築、27戸)
- 東芝の日吉本町アパート → アリュール日吉本町レジデンス(2011年築、90戸)
- NBC長崎放送の社宅 → シティハウス日吉本町(2012年築、35戸)
- 大分県職員社宅(九贈日吉荘の隣接地) → 一戸建て住宅
- 東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)の日吉独身寮 → エクシオ日吉本町(2006年築、40戸、日吉本町3丁目から道路1本挟んだ2丁目に所在)
日吉本町3丁目の企業社宅や寮のなかで、もっとも駅に近いエリアに現われる3棟分の更地。これまでのようにマンションや住宅に転換されることになるのでしょうか。
(※)本記事については読者の方からの情報提供協力をいただきました、ありがとうございました。
【関連記事】
・「日吉台学生ハイツ」の建物が消えた、解体後は伊藤忠の独身寮建設に着手(2016年12月12日、日吉駅近くの箕輪町1丁目では学生寮から企業寮に転換するめずらしいケースも)
・日本郵政が野村不動産を買収? 綱島SSTと箕輪町の中間にある「あの土地」に注目(2017年5月14日、箕輪町2丁目にある日本郵政社宅についての話題)
【参考リンク】
・明治の社員寮「緑風荘」の場所(2棟あり、グーグルマップ)