百年余の歴史継ぐ伝統の「桃の花」は今週末にも満開、綱島東の池谷家で | 横浜日吉新聞

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綱島の桃の花がいよいよ満開に――綱島で現在唯一、桃農家の歴史を継いでいる池谷(いけのや)家(綱島東1)の畑に植えられた桃の花が現在見頃を迎えています。

綱島の歴史を伝える桃の花が今週末にも満開を迎える。写真奥は歴史的建造物の池谷家住宅

綱島の歴史を伝える桃の花が今週末にも満開を迎える。写真奥は歴史的建造物の池谷家住宅

例年、桜(ソメイヨシノ)とほぼ同時期に開花するという綱島の桃の花は、約2千平方メートルの池谷家の農地に約50本植えられており、今年(2017年)はほぼ例年通りの3月下旬に開花。現在、それぞれの木々がまさに「桃色」の花を美しく咲かせています

綱島の桃の栽培は、今から百十数年も前の明治30年代に、現在の第16代当主・池谷道義さんの曾祖父(そうそふ)に当たる池谷道太郎(いけのやみちたろう)氏が始めました。道太郎氏は桃の品種改良を行い、今からちょうど百十年前の1907(明治40)年に「日月桃(じつげつとう)」という新品種の栽培に成功綱島の桃は一世を風靡(ふうび)したと言われています。

桃の花が枝に直接「まとわりつくように」咲くと池谷道義さんはその美しさを語る

桃の花が枝に直接「まとわりつくように」咲くと池谷道義さんはその美しさを語る

この日月桃は、「極早生(ごくわせ)」とも言われる通常の桃より早い6月中旬にも例年収獲される品種であり、この池谷家の桃畑では約3割がこの日月桃とのこと。

桃の花は桜などとは異なり「木から直接咲いているように見える」つくりであることから、その華やかさ、色の鮮やかさがより一層際立って見えますと池谷さん。

あいにく今週末には悪天候が予想されており、「雨濡らしの桃の花もまた風情がありますが、満開になってしまい雨に打たれると、やはり散りやすくなってしまいます。できれば今日(4月7日)や、明日(4月8日)の早いうちに桃の花を楽しんでもらえれば」と、“綱島らしい歴史的な風景”をぜひ堪能してもらいたいと池谷さんは語ります。

鶴見川の土手側から見た池谷家(右奥)。手前は今年(2017年)2月末に閉店した綱島ピーチゴルフセンター。左手奥は工事中の相鉄東急直通線の新綱島駅付近。手前の桃の木は先代・池谷光朗(みつろう)さん(故人)が敷地を管理する国土交通省にお願いして植えたという

鶴見川の土手側から見た池谷家(右奥)。手前は今年(2017年)2月末に閉店した綱島ピーチゴルフセンター。左手奥は工事中の相鉄東急直通線の新綱島駅付近。手前の桃の木は先代・池谷光朗(みつろう)さん(故人)が敷地を管理する国土交通省にお願いして植えたという

綱島・池谷家の桃畑は、東急東横線綱島駅から徒歩約5分。綱島街道を横断し、相鉄・東急直通線(神奈川東部方面線)の新綱島駅(仮称)の工事現場近く、2月28日に閉店した綱島ピーチゴルフセンター跡地の向かいにあります。桃畑への立ち入りはできません。

鶴見川河川敷にも近いこの桃畑。今週末4月8日(土)に開催予定の第6回「菜の花まつり」会場からも川沿いに散策できるので、綱島伝統の桃畑にも、天候次第でぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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【参考リンク】

綱島の桃の歴史(つなしまピーチネット)

港北区の歴史と文化(シリーズ わがまち港北)第30回 綱島の桃ふたたび-日月桃の今日明日-(公益財団法人大倉精神文化研究所)

綱島ピーチゴルフセンター跡の場所(グーグルマップ)


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