綱島街道沿いのまちづくり方針に意見、道路改善や中学校新設を求める声が相次ぐ

横浜日吉新聞
今回のまちづくりビジョンの対象地域(同ビジョンより)

「日吉綱島東部地区まちづくりビジョン」の対象地域(同ビジョンより)

港北区はきのう(2017年2月20日)、日吉と綱島の綱島街道沿いエリアでまちづくりや土地利用の方針を定めた「日吉綱島東部地区まちづくりビジョン」を策定したことを発表し、昨年8月に提示された当初案に寄せられた住民意見と横浜市(港北区)側の回答も同時に公表しました。

同まちづくりビジョンは、主に日吉3~7丁目箕輪町1~2丁目綱島東1~6丁目のなかで、再開発が著しい綱島街道沿いのエリアを対象としたもので、特定エリアにおける具体的なまちづくり方針が示されるのは港北区内では初めてだといいます。

日吉と綱島の綱島街道沿いでは、今後も工場跡地などを活用した宅地やマンション開発が想定されるため、工場と住宅の共存を図るために騒音対策への助成を行うことや、大規模な開発に対しては、事業者にまちづくり方針に対する配慮を求める一方で、地域への貢献度合いによっては建物の高度利用を認めることを示唆するなどの内容となっています。

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綱島街道の拡幅、「電柱地中化」も前向き

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車も歩行者も電柱も多い綱島街道(日大高校入口交差点から日吉駅方面を望む)

このビジョンに対しては、8月から9月にかけて住民から45通の意見書が届き、その内容は127項目におよんでいたといいます。道路環境の改善中学校の新設を求める声に加え、旧アピタ日吉店などの跡地再開発「(仮称)日吉箕輪町計画」に対する内容が目立っていました。

今回公表された回答書によると、道路に関しての意見は25件あり、綱島街道の全面拡幅(4車線化)を早期に行うことや、自転車専用道路の設置、「ユニー・サンテラス日吉バス停」(日大高校入口交差点近く)付近の歩行者環境の改善を求める声が相次いでいます。これに対して横浜市(港北区)側は「関係部署との連携、事業者や地権者・地域住民の方々の御協力を得ながら、綱島街道の渋滞緩和や歩行者の安全確保が図れるように、綱島街道の早期整備に向けて取り組んでまいります」などと回答。

また、電柱の地下化を要望する意見もあり、これに対し市側は「緊急輸送路である綱島街道の整備にあたっては、無電柱化の検討を進めてまいります」と前向きな姿勢を示しました。

住民「中学校の新設を」、市「条件に該当せず」

一方、学校に関する意見は17件寄せられていました。多くは中学校の新設を求める声で、箕輪町2丁目のアピタなどの跡地に作られる新小学校を6~7階建てとして公立の小中一貫校とするべきとの声もありました。

4小学校と2中学校の児童・生徒数の推計、新小学校が開設されないと綱島東と日吉台小は保有教室数に収まらなくなる(市配布資料より)

4小学校と2中学校の児童・生徒数の推計、日吉台中学校は2021年に生徒数が1000人を超える(市教委資料より)

また、「日吉台中学校も樽町中学校も以前から生徒数が限界を超えて多くクラス運営がうまく行かないなどの問題が出ています」と実情を訴えたほか、「綱島は樽町中学校、新田中学校、日吉台中学校の3校に進学しており、中学校の必要性は益々大きくなると思われる」との意見がありました。

また日吉台中学校(日吉本町4)の主要学区である日吉エリアからは、「矢上小学校(日吉3丁目)附近から40分以上もかけて、しかも狭い道路に自動車、自転車の往来が激しい中を通学する子どもたちの安全や、落ち着いた環境で学習できる学校の適正規模のことなど一切考えず、ただ子どもたちの収容だけを考える市教育委員会」と嘆く声も。

これに対し市側は、学校を分離したり新設したりする条件として、「学級数が31学級以上の過大規模の状態が続き、通学区域の変更等によってもその解消を図ることが困難な場合」であることを基本方針として定めていることなどを挙げ、日吉台中学校や樽町中学校では条件に該当しないため、「中学校を新設する予定はありません」とし、「現在の教室数で生徒の受入が可能であることが見込まれています」と回答しました。

住民「20階建てに懸念」、市「健全な高度利用」

綱島街道の日吉側から見た計画地の景観予想図、当初より建物の色合いが変化している(景観審査部会への提出資料より)

綱島街道の日吉側から見た「(仮称)日吉箕輪町計画」の景観予想図(景観審査部会への提出資料より)

野村不動産が開発を進める「(仮称)日吉箕輪町計画」に対しては、20階建ての高さ60メートルのマンション建設計画に懸念を示す声が多く、まちづくりビジョンで示す「調和のとれた適正な土地利用の誘導」という点から考えても「ふさわしくない」「箕輪の街とは調和していません」との意見や、「せめて綱島街道を挟んで建つマンション(14階建ての日吉ロイヤルマンション)と同等に」との訴えも。

市側は、今回のビジョンに「綱島街道沿道では住宅・産業・利便施設などの都市機能の誘導・調整を進め、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る」という内容を盛り込んでしていることから、「高さや容積率の制限の適切な緩和が可能である地区計画などの制度を導入することにより、多様な機能を適切に誘導し、オープンスペースや安全で快適な歩行者空間の確保、先進的な環境配慮の取組など地域課題の解決に資する計画を誘導しつつ、魅力的な街並みを形成するとしました」と説明。

そのうえで、「(仮称)日吉箕輪町計画においても、これらの方針に基づき、地域課題の解決に資する計画を地区計画の制度を活用して誘導してまいります」と述べています。

【関連記事】

日吉~綱島の綱島街道エリアに市が初の「まちづくり方針」、調和とれた再開発を促す(2016年8月17日、今回の「まちづくりビジョン」についての詳細記事)

【参考リンク】

日吉綱島東部地区まちづくりビジョンを策定しました(港北区、2017年2月20日発表)

まちづくりビジョン(案)に対する意見公募の実施に対する回答PDF、港北区、全意見と市・区側の回答)


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