最悪だった2002年と比べ港北区内の犯罪件数は3分の1に――。港北警察署はこのほど、陶山和美(すやまかずよし)署長名で2017年の新年あいさつを公式ホームページで公開し、区内の犯罪の認知件数が大幅に減っていることから、「港北区の治安は確実に向上したと言える」と述べる一方、振り込め詐欺の被害がかってないほどに急増している点に大きな懸念を示しました。
陶山署長はあいさつ文のなかで、警察が犯罪を認知した「認知件数」について、港北区内では昨年(2016年)は一昨年(2015年)と比べて11.8%減の2237件だったことを紹介。区内の治安が最も悪化したと言われている2002(平成14)年には、年間7600件余の犯罪を認知していたといい、「この間、港北区では人口が4万人も増加する中で、犯罪の件数が大幅に減少していることを鑑(かんが)みますと、港北区の治安は確実に向上したと言えると思います」との見方を示しました。
一方、振り込め詐欺に関しては一昨年比で昨年は70%増となる67件の被害が発生し、被害総額は3億円を突破。「港北区内でこれほどの被害を出した財産犯は、かつてなかったと思われます」と述べています。昨年は7人を逮捕したものの、すべて現金を受け取りにきた「受け子」で、主犯格の検挙には至らなかったとのことです。
そのため、同署では、関係機関や団体と連携を深めながら「より安全で安心して暮らせる港北の街の実現に向けて努めて参ります」と締めくくっています。
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