鉄道・運輸機構と東急電鉄、相模鉄道の三者は相鉄・東急直通線の工事に関して、今年(2016年)11月時点での環境への対応状況をまとめた環境アセスメントの「事後調査結果報告書(工事中その3)」を横浜市に提出し、今月(12月)22日に市が公開しました。
これによると、新綱島駅(仮称)の建設予定地内にあることから営業を休止している綱島温泉「東京園」の温泉(源泉)については、「影響を可能な限り回避低減する」として、工事による地下水の浸透を防止するための防水シートや止水板の設置、止水性が確保できる「鋼製連壁」を採用していると述べ、「継続的なモニタリングにより工事中における温泉の状況を把握しています」(同報告書)と報告しています。
また、今回の報告書では初めて「揚水(ようすい=水を汲み上げる)量が低下するなどの影響が生じ、本事業との関連性が確認された場合には、必要に応じて代償措置を講じるなどの対策を行ないます」(同)と言及しました。
新綱島駅に隣接する農地で栽培されている綱島伝統の桃「日月桃(じつげつとう)」に関しては、現時点では「事業により影響は確認されていません」といい、「今後、事業により栽培への影響が確認された場合には、関係する方々と十分話し合いを行い、適切な対応を図っていきます」(同)と表明しています。
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【参考リンク】
・相鉄・東急直通線事業に係る事後調査結果報告書(工事中その3)(2016年12月22日公開、横浜市)