<還付金詐欺が激増>役所が簡単に税金を返すはずがない、電話は督促の時だけ | 横浜日吉新聞

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保険料の還付金があり、ATMで手続きができます」「保険料の過払い金がある」「後期高齢者医療費の還付金がある」……。高齢者を狙った「還付金詐欺」の被害が止まりません。先月(2016年11月)から今月にかけて港北区内では毎日のように被害が報告されており、公表されただけでも、昨日12月15日に綱島東3丁目で、先週7日から8日にかけては日吉5丁目で、6日には樽町2丁目で発生。先月16日には樽町4丁目で2件連続で被害が起きています。

ATMだけで役所からお金が還付されるわけがない

紙とハンコがないなかで、ATMだけで役所からお金が還付されることはない(写真はイメージ)

11月に入り港北区役所では還付金詐欺と「オレオレ詐欺」の発生状況をまとめた特設ページを公開したほか、港北区役所や社会保険事務所などを騙る不審電話の内容を頻繁に公開しています。

公開された不審な電話の内容を見ると、たとえば「過去5年分の保険料の還付が2万3368円ある」や「今日が期限で明日以降は無効になる」などと、いかにも「それらしい内容」を作って電話を架けていることが分かります。

しかし、よく考えてみれば、あらゆる”役所”は、住民や国民から税金や手数料としてお金を徴収することには熱心ですが、支払ったお金を親切に返してくれたことがあったでしょうか

たとえあったとしても、こちらから役所窓口へ出頭のうえ、何らかの用紙に細かな事項を手書きして捺印するなど、面倒な手続きを行ったはずです。ATM操作だけで返金手続きが済むほど役所は”先進的”でも親切でもありません。すべて面倒な「紙」と「ハンコ」の世界だったはずです。そもそも、一度でも役所が徴収した金は「公的なお金」なので、そう簡単には返ってきません。

役所を名乗る電話口からお金の話が聴こえてきた時は思い出してみてください。今までの人生で、取られ過ぎた税金が簡単には戻ってこなかったことを。役所が電話で金の話をするのは、未払い税金の督促時だけです。

なお、督促の際も必ず「督促状」が来ますので、来てないうちに電話で「年金未納分を支払え」などという内容は確実に詐欺です。

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【参考リンク】

港北区内の不審電話情報(平成28年度)(港北区役所)

港北区内の振り込め詐欺発生情報(港北区役所)


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