予約も好調「オール慶應」で臨む日吉の丘フィル、年末公演に向けた主宰者の熱き想い

横浜日吉新聞
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日吉の丘フィルの練習風景。今回は慶應・湘南藤沢の高校・大学メンバーや、他大学・高校メンバー含め約90名が参加予定!(2016年10月15日、目黒区内で撮影・日吉の丘フィルハーモニー提供)

“オール慶應”色が強まり、チケット予約も好調――毎年恒例となった日吉の丘フィルハーモニーの第5回年末コンサートへの練習・準備が着々と進んでいます。2016年12月27日(火)18時30分(開場:18時)より、日吉駅前・慶應義塾協生館の藤原洋記念ホールで開催される公演のチケットも7月より発売開始。全500席中、既に100枚以上の予約が入る好調ぶりといいます。

この“日吉の丘フィル”を主宰するのが、慶應義塾大学在学中の村松琢麻(たくま)さん。村松さんによると、「今年は、湘南藤沢や、医学部のメンバーなど、多彩な奏者がそろっています。まさに“オール慶應”色がより強まっているんです」と、今年の公演に向け、2013年の設立当時より、日吉の丘フィルの輪が「慶應義塾」にさらに広がってきたといいます。

慶應義塾にも、様々、オーケストラや吹奏楽、音楽を学び、また演奏の腕や技術を高めている人々がいる中で、何故、多くのメンバーが「日吉の丘」に集うのか。その日吉の丘の活動に情熱を絶えず傾けてきた村松さんに、その活動の原動力となる想いを聞きました。

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慶應病院に「物心ついた頃から」通い、福澤諭吉像にも親しんだ幼少時代

日吉の丘フィル主宰の村松さんは、東京・世田谷区生まれ。幼少時から重い喘息(ぜんそく)持ちであるなど、身体が弱かったため、物心ついた頃から、自宅のある自由が丘から慶應義塾大学病院(東京・信濃町)に通っていたといいます。

日吉の丘フィル主宰・村松琢麻(たくま)さんは「物心ついた時から」慶應義塾大学病院に通っていたという。現在、慶大医学部に在学しているのも、当時からの想い出がおそらく背景にあるからだという

日吉の丘フィル主宰・村松琢麻(たくま)さんは「物心ついた時から」慶應義塾大学病院に通っていたという。現在、慶大医学部に在学しているのも、当時からの想い出がおそらく背景にあるからだという

親に抱っこされながら、大学病院の福澤諭吉像を見て、さわらせてとせがんでいたという、懐かしい記憶が今もあるという村松さん。

結局、病気は小学校3年生で完治。しかし、当時の記憶が「とても心に残って」慶應医学部に進学することに。「今でも、あの頃お世話になった先生が何人かまだ大学にいて、時折、親身になって進路などの相談に乗っていただいたりもしています」。

音楽との出会いは4歳の時。母親の薦めでピアノを始めた村松さん。「インドアな子どもでした」。身体が弱かったこともあり、孤立しがちで活発な子供たちの輪に入れず悔しかった。以降、悔しさをぶつけて、勉強や音楽も頑張ったんです」。

幼少時の慶應病院との出会いと、“住宅街”らしい雰囲気が、自分の育った環境に近かったという日吉の街、そして、毎年秋に生徒たちが自身の研究・学習成果などを発表する「労作展」(毎年9月下旬頃に開催)の影響を受け、見事、中学受験で慶應義塾普通部の門をくぐった村松さん。

慶應義塾の“独立自尊”の考え方、“人は人”、人に強制されず、自分自身で責任を持つ。そんな生き方が、いいな、と思えたんです」。

小学校4年生の時から学校の吹奏楽団でトロンボーンを経験していた村松さんは、慶應普通部入学後、今の「日吉の丘フィル」につながることになる音楽部に所属。今回の第5回年末コンサートの指揮者となる榎本卓哉(たくや)さん(現在は、同じく慶大医学部に在学中)と出会うなど、「当時からの仲間たちが、現在もこの日吉の丘フィルを支えてくれているんです」。

普通部時代から「居場所づくり」が得意、“自発的”な集まりを

入部当初は7人しかいなかった当時の「音楽部」で、「いつかはオーケストラ」の演奏を、という壮大な夢を抱いたという村松さんは、どうやったら入部者が増えるか、ということを熟慮したといいます。

年末コンサートが開催される慶應義塾・協生館前にて。村松さんが日吉に通い始めてからはや10数年の歳月が流れようとしている

年末コンサートが開催される慶應義塾・協生館前にて。村松さんが日吉に通い始めてからはや10数年の歳月が流れようとしている

「無理やり誘うのではなく、自発的に入りたいような活動をすればいいんだ」と。

新入生説明会で演奏をする機会を得たり、活動PRの場で、「誰も言わないようなだじゃれを連発したりもしました」と、音楽部の新入生勧誘に力を入れた結果、「最後にはメンバーが30人にまで増えていました。夢だったオーケストラは実現しなかったけれど、当初の7人だけでは難しかったアンサンブルの演奏を見事実現することができたんです」。

さらに、音楽と共に大好きだったという歴史の楽しさを共有する「歴史研究会」が部員数ゼロだったところを再興し、また、しばらく活動していかなったという「図書委員会」も復活させたという村松さん。歴史研究会は20人、図書委員会も15人にまで人数を増やすことに成功します。

「組織を維持することに長けたメンバーもいると思うのですが、自分は、“集団の中での自分の居場所”を作り、多くの人にアピールをしたかったのだと思います。組織を形作る、ということが、自分にとって得意な分野だと分かったんです」。

「居心地の良い空間」を形にする、ということを普通部時代に実践できたという村松さんを、当時から出会ったメンバーが、今も「日吉の丘フィル」の演奏、そして運営全般をも、力強く応援してくれているのだといいます。

高校ワグネル部長、日吉の丘フィルの結成から第5回開催に至るまで

慶應普通部前にて。村松さんは音楽部、歴史研究会そして図書委員会と、福澤諭吉が唱えた“独立自尊”の精神(リンクは慶應義塾・理念のページ)の下、仲間を増やし、青春を謳歌(おうか)した

慶應普通部前にて。村松さんは音楽部、歴史研究会そして図書委員会と、福澤諭吉が唱えた“独立自尊”の精神(リンクは慶應義塾・理念のページ)の下、仲間を増やし、青春を謳歌(おうか)した

慶應普通部2年生から、吹奏楽では花型といわれるクラリネットを吹き始めた村松さん。「父がクラリネットを昔から吹いていて、その影響で始めました」。

慶應義塾高校時代は、ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ部に入部。約100人という部員数を誇る本格的オーケストラの演奏会も行う同部の部長として活躍します。

ちょうど、慶應義塾150周年事業として 2008年に完成したばかりの慶應義塾協生館内の藤原洋記念ホールへ、同校の文化祭・日吉祭での同部の演奏を代表として初めて移したという村松さん。そして、高校卒業を控えた2013年の秋、「このまま青春を終えて良いのか」と思い立った「日吉の丘フィル」の初結成。

普通部通りを日吉駅方面へ。「この辺りの道は、自分が通っていた頃とほとんど変わりありませんね」と当時を懐かしむ村松さん

普通部通りを日吉駅方面へ。「この辺りの道は、自分が通っていた頃とほとんど変わりありませんね」と当時を懐かしむ村松さん

慶應普通部時代に村松さんが所属する音楽部のコーチを務めていた、現東京ユヴェントス・フィルハーモニー音楽監督の坂入健司郎(けんしろう)さん(第1~3回指揮者)や、今回の第5回演奏会(12月)で、第1回目以来となる凱旋演奏を行うバイオリン・ソロの大江馨(かおる)さんらとのつながりもあり、「いつも今回が最後」と思いながらも、なんとか続けてきた日吉の丘フィルハーモニー。

昨年(2015年12月)の第4回年末コンサートでは、結成以来初めてとなる「チケット完売」の偉業も成し遂げ、今年の開催、そして更には来年の開催までも「既に計画しています」と、村松さんは、この日吉の丘フィルへの“並々ならぬ想い”を、熱く語ります

「今回も既にチケット予約が絶好調ですし、メンバーも慶應義塾大学・高校の湘南藤沢や、医学部からの参加も大幅に増え、“オール慶應色”がより感じられる編成となっています。明日(2016年)10月30日(日)に開催される日吉祭では、慶應義塾高校・慶應女子高校のワグネル・ソサィエティー・オーケストラ部の演奏披露で活躍予定のメンバーもいます。ぜひ、ハイレベル、またより一層“慶應ゆかりのメンバー”の一体感を感じていただける年末演奏会にもお越しいただけたら」と、村松さんは、年末コンサートの成功に向け、更なる決意を語ってくれました。

チケットの予約状況も好調!「ぜひ、日々お世話になってきた日吉周辺の皆さんに多くお聴きいただけたなら嬉しいです」と、多く地域の皆さんにも恩返しできるような演奏をと意気込む

チケットの予約状況も好調!「ぜひ、日々お世話になってきた日吉周辺の皆さんに多くお聴きいただけたなら嬉しいです」と、多く地域の皆さんにも恩返しできるような演奏をと意気込む

日吉の丘フィルハーモニー第5回年末コンサートは、高校生が約45名、大学生および卒業生が約45名、慶應義塾以外にも6つの大学・高校から7名が参加見込(2016年10月現在)。バイオリン・ソロは第63回全日本学生音楽コンクール全国大会(バイオリン部門)で第1位を受賞した、やはり慶應義塾高校・慶應義塾大学卒の大江馨さん。曲目は、シベリウス「フィンランディア」、チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、ドヴォルザーク「交響曲第8番」を予定しています。

チケットは全席自由、1000円。下記リンク先に記載のメールアドレスにて予約受付(発売)中。同フィルメンバーによる、初めてのスマートフォンアプリでのQRコードによるチケット販売も準備中とのこと(下記の同フィル関連サイトにて近日公開予定)。

演奏会当日は、開演前に、クラリネット、フルート、そしてファゴット三重奏での初のロビーコンサートも計画中との事で、「これまでにない新しい日吉の丘フィルをお楽しみいただけたら」(村松さん)と、多くの来場を呼び掛けています。

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【参考リンク】

日吉の丘フィルハーモニー公式ホームページ

日吉の丘フィルハーモニーFacebookページ

日吉の丘フィルハーモニーTwitter

日吉の丘フィルハーモニー 第5回年末コンサート(クラシックの演奏会情報サイト・アマービレ)

【アクセス情報】慶應義塾日吉キャンパス・協生館ホームページ(東急東横線・東急目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン日吉駅徒歩1分)

(提供:日吉の丘フィルハーモニー)


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