世界的巨匠プーレ氏のバイオリンは必聴、慶應ゆかりの管弦楽団が8/27(土)日吉公演 | 横浜日吉新聞

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「東京ユヴェントス・フィルハーモニー」は、慶應義塾150周年を記念して設立された当時は「慶應義塾ユースオーケストラ」という名称だった。現在は他大学ゆかりの学生らも交えて、毎回独自の演奏会を企画。数多くの世界初演・日本初演に挑戦している(写真は同フィルホームページより)

「東京ユヴェントス・フィルハーモニー」は、慶應義塾150周年を記念して設立された当時は「慶應義塾ユースオーケストラ」という名称だった。現在は他大学ゆかりの学生らも交えて、毎回独自の演奏会を企画。数多くの世界初演・日本初演に挑戦している(写真:同フィルホームページより)

世界的巨匠といわれるプーレ氏のバイオリンの響きを日吉で――慶應義塾ゆかりの管弦楽団として知られる東京ユヴェントス・フィルハーモニーは、第13回となる定期演奏会を、慶應義塾大学日吉キャンパス内・協生館の藤原洋記念ホールにて2016年8月27日(土)16時(開場は15時30分)より開催します。

東京ユヴェントス・フィルハーモニーは、元々は2008年に「慶應義塾ユースオーケストラ」という名称で、慶應義塾創立150年を記念する特別演奏会のために慶應義塾の高校生・大学生を中心として結成。2014年には、現名称に変更。慶應出身以外の学生や様々な経歴のメンバーも参加し、精力的な活動を続けています。

今回のプログラムは、同フィルハーモニーの音楽監督で、今回指揮を務める坂入健司郎(けんしろう)さんがここ最近チャレンジを重ねる「ベートーヴェン・チクルス(連続演奏)」の一環として、ロマンス第1番ト長調、ロマンス第2番ヘ長調、交響曲第4番変ロ長調などのプログラムに初めて取り組むものです。

今回の公演に向けた練習風景。この日は、元住吉にある川崎市国際交流センターに初めてプーレ氏を招いて行われた(2016年7月9日撮影)。指揮は、昨年2015年から川崎商工会議所の「かわさき産業親善大使」も務める坂入健司郎さん(川崎市多摩区在住)

今回の公演に向けた練習風景。この日は、元住吉にある川崎市国際交流センターに初めてプーレ氏を招いて行われた(2016年7月9日撮影)。指揮は、昨年2015年から川崎商工会議所の「かわさき産業親善大使」も務める坂入健司郎さん(川崎市多摩区在住)

この「ロマンス」や、フランスの作曲家ショーソンの「詩曲」のバイオリン・ソロを担当するのが、フランスのバイオリン奏者で「世界的巨匠」「フランス・バイオリン界の至宝」とも称されるジェラール・プーレ氏

かねてより、プーレ氏の大ファンであったという坂入さんが、プーレ氏が登場する演奏会の楽屋に通い続け、「いつかは共演を」とアプローチを続けてきたのが、今回の念願の“共演”につながったと坂入さんはいいます。

「プーレさんの音楽は、バイオリンという楽器とは思えないような、楽譜を越えた響きがあるんです。それは、50年寝かせたワイン、300年継ぎ足された老舗うなぎ店のたれ、と言った価値観、とでもいいましょうか。言葉にできない、目の前で聴いてもらわないと判らない、本当の音楽が、そこにはあるんです」と、プーレ氏が紡ぎだすバイオリンの音の世界を絶賛します。

音楽監督・指揮の坂入さんは、慶應普通部の音楽部出身、慶應高、慶應大経済学部卒。指揮法を小林研一郎氏、井上道義氏らに師事。10年間日吉に通ったこともあり、「日吉の丘フィルハーモニー」設立メンバーとしても活躍。第1回から第3回目までの指揮者も務めた

音楽監督・指揮の坂入さんは、慶應普通部の音楽部出身、慶應高、慶應大経済学部卒。指揮法を小林研一郎氏、井上道義氏らに師事。10年間日吉に通ったこともあり、「日吉の丘フィルハーモニー」設立メンバーとしても活躍。第1回から第3回目までの指揮者も務めた

現在、昭和音楽大学でも教授として教鞭を執り、後進の指導に熱意を寄せるプーレ氏が得意とするショーソンの楽曲や、「ベートーヴェンの作品の中でも完璧な譜面」と坂入さんが分析する交響曲第4番など、聴きどころもたっぷりな演奏会に仕上げます、と意気込みを語ります。

プーレ氏もバイオリン・ソロとして演奏する予定のベートーヴェンの「ロマンス」は、「1番は、重層なソロ・バイオリンをお楽しみいただけます。また、2番は、誰もが聴いたことがある旋律です。プーレさんのバイオリンはもちろん、熱意に満ちた学生らによる今回の演奏会を、ぜひ日吉近郊の皆さんに“熱く”お楽しみいただければと思います。慶應だけでなく、東大や早稲田大ゆかりのメンバーも参加しています。最後の夏の想い出に、ぜひ心に残るクラシック音楽のひとときを過ごしていただけたなら」と坂入さん。

子どもの頃から歴史が好きで、作曲家や選ぶ楽曲への歴史的な理解も深く、多くの演奏家たちからも、その歴史的なアプローチが人気だという坂入さんの楽曲選択や解釈。

ベートーヴェンの「運命」を聞いて指揮者を志すようになったという坂入さんが、指揮者の出発点となった得意のベートーヴェン作品を中心としたプログラムにて、どんなタクト捌き(さばき)を見せるのかにも大きな注目が集まります。

東京ユヴェントス・フィルハーモニー第13回定期演奏会は、夏の終わりを迎える2016年8月27日(土)16時(15時30分開場)より日吉駅前・慶應義塾大学協生館内の藤原洋記念ホールにて開催。チケット全席自由・2000円(チケットぴあにて販売)。5歳未満は入場不可。

コンサートやチケットについての詳細は、下記のリンクをご参照ください。

【2016年8月17日追記】

東京ユヴェントス・フィルハーモニー日吉公演の案内チラシ

開催案内の案内チラシが届きました!チケットも好評発売中です。

川崎初のプロオーケストラ、始動!坂入さんらが中心となった川崎室内管弦楽団の結成演奏会も、2016年12月30日に日吉・藤原ホールでの開催が決定した

川崎初のプロオーケストラ、始動!坂入さんらが中心となった川崎室内管弦楽団の結成演奏会も、2016年12月30日に日吉・藤原ホールでの開催が決定した

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【参考リンク】

東京ユヴェントス・フィルハーモニー公式ホームページ

楽団について・音楽監督 坂入健司郎(東京ユヴェントス・フィルハーモニー)

産業親善大使に巨人軍の井端選手などを任命~川崎商工会議所(日本商工会議所ホームページ)

<フランス・ヴァイオリン界の至宝>ジェラール・プーレ公式ホームページ

ジェラール・プーレ(昭和音楽大学教員紹介)

東京ユヴェントス・フィルハーモニー ショーソン(詩曲)/他(チケットぴあ)


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