震災時のトイレ問題解決へ、日吉南や駒林、北綱島、綱島東の4小学校に“安心仮設トイレ” | 横浜日吉新聞

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横浜市が整備を進める「災害時下水直結式仮設トイレ」(通称「ハマッコトイレ」)の仕組み

横浜市が整備を進める「災害時下水直結式仮設トイレ」(通称「ハマッコトイレ」)の仕組み

今月(2016年4月)14日から熊本県や大分県の一部で発生した一連の大地震では、4月25日現在でも4万8000人余が避難生活を余儀なくされています。長引く避難生活のなかで特に困るのがトイレです。地震で水道や電気が止まると、途端に使えなくなるからです。

小学校などの避難所では、仮設トイレが設置されることになりますが、一度に千人単位の人が避難してきた場合、汚物の処理ができないという問題が発生し、満足には使えなくなります。

今回の熊本で起きた地震でも避難者のなかには、なるべくトイレへ行かずに済むよう食事や水分の摂取を控えてしまい、結果として体調を崩すケースも見られます。

こうした事態を避けるために今、横浜市が懸命に整備を進めているのが「災害時下水直結式仮設トイレ」(通称「ハマッコトイレ」)。その名の通り、下水道に直結させる形の仮設トイレです。

設置や使い方もそれほど難しくはない「ハマッコトイレ」(使用法の説明動画より)

設置や使い方もそれほど難しくはない「ハマッコトイレ」(使用法の説明動画より)

下水道に直接流せるため、衛生的に使えるのが最大の特徴で、このトイレに使う下水道管も耐震設計です。プールの水などを使って、約500回の使用ごとに800リットルの水で排水する仕組みで、1日あたり1~2回の簡単な排水作業を行うだけで済むといいます。入口の段差がない洋式トイレとなっているため、高齢者でも安心して使うことができそうです。

この“ハマッコトイレ”は既に指定避難所(地域防災拠点)となる小学校などで整備が進んでおり、日吉や綱島では日吉南小学校(日吉本町4)、駒林小学校(日吉本町2)、綱島東小学校(綱島東3)、北綱島小学校(綱島西5)の4校に設置。既に下水管が耐震のものに付け替えられ、校内の防災倉庫にはハマッコトイレの組み立てキットが置かれています。

横浜市では、液状化の被害が想定される区域内を優先的に整備を進めており、昨年度(2015年度)末時点で設置箇所は111カ所(うち港北区内9カ所)になりました。今年度も市内30カ所(港北区内は篠原、大綱、新羽の各小学校)で新たに設置され、最終的には市内458カ所すべての指定避難所に整備する予定となっています。

【関連記事】

日吉・綱島に最悪のシナリオは「川崎直下地震」、今から何をどう備えるべきか(2016年4月19日、避難所についての解説も)

<町名別の数値公開>日吉や綱島はどこも「揺れやすい土地」であるとの認識を(2016年4月20日、町名ごとの揺れやすさの数値)

【参考リンク】

災害時下水直結式仮設トイレ(通称:災害用ハマッコトイレ)について(横浜市環境創造局)

下水直結式仮設トイレ~使用方法の動画(横浜市がYouTubeに公開、案外簡単に使えます)


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