2020年7月24日から8月9日まで東京で予定される夏季オリンピック(2020年東京五輪)では、英国代表チームが事前キャンプ地として、慶應義塾大学の日吉キャンパス(日吉4)をはじめ、近隣の都筑区にある横浜国際プール(北山田駅近く)や等々力陸上競技場(中原区)を使うことが昨日(2016年1月20日)発表されました。約4年半後にやってくる英国チームですが、最近の五輪では、米国や中国、ロシアなどに次ぐ強豪国となっています。
英国は、2008年の北京五輪では金19、銀13、銅15の計47個のメダルを獲得し、米国、中国、ロシアに次いでメダルの数で4位となりました(日本は25個で8位)。
ロンドン開催となった2012年大会では、541人の選手団が金29、銀17、銅19の計65個のメダルを獲得し、米国と中国に次ぐ3位に浮上(日本は38個で11位)。これは、1920(大正9)年のベルギー・アントワープ五輪以来の高い順位で、地元開催ということもあってか、古豪復活といえる大活躍を見せています。
英国チームが得意とする競技は、自転車と陸上と馬術です。ロンドン大会ではこの3種目だけで金メダルを15個獲得しています。加えて、ボクシングやセーリング(ヨットなどを使った競技)、ボート、競泳、カヌーでかなりの強さを見せ、テニスやテコンドー、射撃も強豪揃いです。
英国の“お家芸”を見ると、日本ではなじみのない競技も多いのですが、キャンプ地・日吉の付近には、英国チームにとって最適な施設が揃っています。たとえば、自転車競技の練習場としては川崎競輪場(川崎区)が使えそうですし、馬術では日吉4丁目に慶應馬術部の馬場があります。陸上競技は慶應日吉グラウンドと等々力競技場を使えば、どんな種目でも満足な練習ができるでしょう。
ボート競技の練習は、鶴見区に「横浜市鶴見川漕艇(そうてい)場」があり、競泳選手の練習には横浜国際プールが最適です。日吉キャンパス協生館にもプールを備えています。
日吉キャンパス内の蝮谷(まむしだに)テニスコートは国際大会が行われるほどの設備ですし、ボクシングやテコンドーには体育館「日吉記念館」も活用できそうです。また、蝮谷には射撃場もあります。ロンドン大会で銅メダルとなった英国女子ホッケーの練習には、下田町の慶應ホッケーグラウンドが使えます。
カヌーとセーリングは横浜・川崎両市内に練習ができそうな施設はありませんが、神奈川県内の宮ヶ瀬湖カヌー場(愛甲郡清川村)や江の島、葉山町なら対応ができるでしょう。
こうして考えると、横浜と川崎の双方に行きやすく、設備の整った慶應日吉キャンパスをキャンプ地として選んだのは、英国チームにとって必然だったともいえます。4年半後の7月、世界最高レベルにある英国の選手に活躍してもらうためには、日吉やその周辺の役割が大きくなりそうです。
【関連記事】
・<2020年東京五輪>慶應日吉キャンパスが英国代表チームのキャンプ地に(2016年1月20日)
【参考リンク】
・イギリスオリンピック委員会(英語)
・慶應義塾大学日吉キャンパスガイド(日吉キャンパスの全施設)
・等々力陸上競技場整備に関する取組み(川崎市)
・競輪場情報・川崎競輪場(KERIN.JP)
・東京2020オリンピック競技大会 英国オリンピック代表チームのキャンプ地が横浜・川崎に決定!(2015年1月20日、横浜市)