春のセンバツ「21世紀枠」に県高野連が日大高校を推薦、今度こそ!の期待 | 横浜日吉新聞

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hihiyosi_sports_rg来年(2016年)3月下旬に開かれる選抜高等学校野球大会(春のセンバツ大会)での「21世紀枠」に、神奈川県の代表として日本大学高校(箕輪町2)が推薦されています。各都道府県から推薦された46校のなかから3校に選ばれれば、甲子園球場で行われる春のセンバツ大会に出場できることになります。

春のセンバツは「選抜」という名称の通り、夏の甲子園大会のように最後まで勝ち抜いたチームだけが出場する全国大会ではなく、高校野球連盟(高野連)が甲子園に出場する高校を“選ぶ”という点に特徴があります。

選考の基準は、関東地区の場合、10月末から11月に埼玉県で行われた「秋季関東地区大会」(神奈川、山梨、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬の各県から2校ずつ、開催県の埼玉県のみ3校)に出場した15校の成績をもとに、4~5校が選出されることになっています。ただ、神奈川県勢の横浜高校と桐光学園高校はいずれも初戦で敗退したため、今回は県から1校も選出されない可能性もあります。

日大高校は、この関東大会に出場する権利をかけて戦った神奈川県大会の準決勝で敗れており、選出対象からは外れているのですが、準決勝の桐光学園戦で善戦したことなどが県高野連に評価され、「21世紀枠」の県代表として選ばれたものです。

日吉6丁目の日大高校第2グラウンドで行われた秋季大会2回戦の光明相模原高戦

日吉6丁目の日大高校第2グラウンドで行われた秋季大会2回戦の光明相模原高戦

この21世紀枠は2001年から始まった制度で、一定の成績を残したチームのなかから、野球への姿勢や課外活動、地域性など、他校の手本となるような高校を各都道府県の高野連が推薦。このなかから、東日本1校、西日本1校、全国1校の計3校が選出され、センバツ大会に出られることになります。

日大高校が神奈川県の21世紀枠に選ばれたのは2年ぶり2回目で、「今度こそ!」の期待がかかるのですが、神奈川県からは私立・公立を含め過去12校が推薦されたものの、21世紀枠で甲子園に出場したチームは1校もありません

首都圏では、2014年の東京都立小山台高校(品川区)の出場が話題にはなりましたが、これまでの選考例では、強豪が多く野球のレベルが高いとされる都道府県から選出されるケースは少ないのが現状です。

たとえば、神奈川県や大阪府、埼玉県が顕著です。21世紀枠の制度が始まった2001年以来、春のセンバツ大会では、神奈川県勢は2006年の横浜高校や2011年の東海大相模高校による優勝2回ほか準優勝1回、大阪府勢は2012年の大阪桐蔭高校の優勝ほか準優勝1回、埼玉県勢も2013年の浦和学院高校の優勝ほか準優勝1回という成績で、これらの3府県は全国大会で優勝するレベルにあると認知されている影響か、21世紀枠で甲子園に出たチームは未だ存在しません

日吉自動車学校の近くにある日大高校の第2グラウンドは、野球部だけでなくアメリカンフットボール部などの運動部と共用する

日吉自動車学校の近くにある日大高校の第2グラウンドは、野球部だけでなくアメリカンフットボール部などの運動部と共用する

もし、21世紀枠ではレベルが高い地域のチームほど選ばれづらいという選考基準があるとすれば、日本有数の激戦となる神奈川県で、ベスト4の実力を持つ日大高校は“圧倒的に不利”とみられますが、1930(昭和5)年創部という85年間の歴史や「グラウンドを他部と共用するなど活動に制約が多いなかで練習方法を工夫し、ここ数年、安定した力を発揮していること」(毎日新聞2015年11月21日号)が高く評価されることを祈るばかりです。

なお、選考結果は12月11日に全国9地区の9校に絞られたのち、来年1月29日には甲子園へ出場する3校が決定されます。

【関連記事】
<高校野球秋季大会>日大高は準決勝で惜しくも涙、4対1で桐光学園に敗れる(2015年10月3日)

【参考リンク】

選抜高等学校野球大会「21世紀枠」推薦校(神奈川県高校野球連盟)

来春センバツ21世紀枠推薦46校一覧(「日刊スポーツ」2015年11月23日)

第88回選抜高校野球:21世紀枠、日大高推薦 来年1月に最終決定(「毎日新聞」2015年11月21日)

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