<開業から半世紀超>綱島駅ビルが「高架の耐震工事」で来年早々にも閉鎖の見通し | 横浜日吉新聞

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綱島駅ビルの東口側の道路は、綱島駅への侵入ルートして路線バスがひっきりなしに通る

綱島駅ビル商店街は東横線高架下の部分(左側)と、高架横の2階建て部分があり、2階は飲食店街となっている

今年(2015年)9月ごろからテナントの撤退が相次いでいた「綱島駅ビル商店街」(綱島駅直結)は、来年(2016年)早々にも閉鎖される見通しであることがわかりました。上部を走る東横線高架橋の耐震化工事にともなうもので、東急電鉄は「現在、店舗の皆さんに立ち退きをお願いしている最中」と話します。

同駅ビル内に11店舗を連ねている専門店街(商店街)では、5月に「不二家綱島店」が閉店したことを皮切りに、8月末には「トンカツほうらく(蓬楽)亭綱島店」と「京樽(持ち帰り寿司)綱島店」、9月16日には「ドトールコーヒー綱島駅前店」が撤退。こうしたチェーン店に加え、9月末には入口付近にあった地元の老舗商店「フルーツなかやま」も閉店しています。

綱島駅構内にある駅ビルの入口、一番奥側に東急ストアがある

綱島駅構内にある駅ビルの入口、一番奥側に東急ストアがある

また、現在営業している手芸用品店「亜華絲屋(あかしや)」が11月末まで、老舗のパン店「ロアール」は12月20日までの営業となることを予告。「金子時計店」も閉店の意向です。2階の飲食店街でも全店が営業を取りやめるようです。

同駅ビルの半分以上を占めている「綱島駅前東急ストア」ですが、年内は通常通りの24時間営業を表明。ただ、一部関係者によると来年(2016年)1月中にも閉店する意向があるとのことです。

耐震工事が行われたのち、駅ビルをどのようするかについては「未定」(東急電鉄)としています。

あるテナントは「ここへ戻ってくる予定はなく、耐震工事後はどうなるかも聞いていない」といい、東急ストアの関係者も「今後は電鉄が決めることなのでわからない」と明かします。

綱島駅ビル(左側)に面した道路は、綱島駅前乗り場に乗り入れる3社の路線バスが昼間でも頻繁に通り、歩道もないため、歩きづらい状況にある

綱島駅ビル(左側)に面した道路は、綱島駅バス乗場へ乗り入れる3社の路線バスや車が頻繁に通り、歩道もない

同駅ビルは、2019年開業予定の「新綱島駅」への連絡口となる東口側に面し、高架下部分だけでなく、バス通りの道路側にもせり出した形の建物となっています。再開発にともない、道路の拡幅が行われる可能性もあり、現在の建物が残されることは考えづらい状況です。

今から52年前の1963(昭和38)年、綱島駅が高架化したのに伴いオープンした同駅ビル。当時は珍しい存在で、遠方からも多数の客が押し寄せたといいます。駅ビルのさきがけと言われる老舗の商店街でしたが、綱島駅東口と新綱島駅周辺の再開発が行われるなかで、まもなく半世紀超の歴史を閉じてしまうことになりそうです。

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【参考リンク】

綱島駅ビル商店街(産業NAVI)

綱島駅前東急ストアの紹介


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